マネタイズをするためのマーケティング思考法【行動を理解した戦略】
「起業したいけど、収益はどうやって確保しよう。マネタイズするために有効なマーケティングの思考法や具体的な事例を知りたいな。」
今回は、そんな疑問を持つ方向けの記事です。
起業をする上で欠かせない「お金をどう稼ぐか」という基本部分。
モノにあふれる時代だからこそ、しっかりとしたマネタイズ方法を構築する必要があります。
この記事では、そんなマネタイズに重要なマーケティング思考方法をわかりやすく解説していきます。
もくじ
- マネタイズする際の考え方
- 不安を売る脳科学マーケティング
- モノではなく行動をマーケティング
- 自動化でモノを売らずに売る
早速、学んでいきましょう!
マネタイズする際の考え方
事業を続けて行く上で、必ず必要な収益の確保。
まず、収益=お金をどう稼いでいくか考える上で、以下3つのルールを設定する必要があります。
- ① お客を信じるな
- ② 現データは無視
- ③ 思考行動理解施策
① お客を信じるな
お客さんのレビューを全て間に受けることは危険です。
なぜなら、人はお世辞や気づかいなどで本当に思っていることを言葉にできないから。
例えば、サッカーが好きという人がいたとします。
ただ、その人は見るのが好きなだけで、実際に自分がプレーしたいということに必ずしも相関性はないですよね。
トヨタのファンだからといって、必ずしもその人が今トヨタの車を買うとは限らないのです。
② 現データは無視
お客さんに合わせるほど平均値に近づいていくので、データは無視すべき。
例えば、新商品のTシャツの色を100人にアンケートを取り決めるとします。
- 白:80人
- 黒:15人
- 赤:5人
ほとんどの場合、データ重視で一番売れそうな、80人が選んだ白で商品化を進めますよね。
ただ、裏を返せば、データが多いほど=他社も同じことをしているということになるので、価格勝負になり利益率の低下は避けられなくなります。
つまり、現在の顧客ではなく、まだお客さんになっていない「非顧客」に向けた施策を考えるべきなのです。
③ 思考行動理解施策
では、いかに競合を避け、収益を上げていけばいいのか?
競合が多い適切価格で疲弊するのではなく、購買数と購買単価(図のグリーンのエリア)をいかに上げていくかというところに労力を割くべきなのです。
そこで重要なのが、2つのマーケティング思考法。
- 脳科学マーケティング
- 行動マーケティング
以下で、2つの考え方を深掘りしていきましょう。
不安を売る脳科学マーケティング
脳科学と聞くと、ちょっと怪しく聞こえるかもしれませんが、多くのビジネスでも使われているれっきとしたマーケティング手法の一つ。
関連記事:ビジネスに応用する脳科学【あなたは人を操る力を知ってますか?】
誰もが抱える「不安」を売ることで、商品を売り込まずとも勝手に売れていくのです。
無料で販売の機会を増やし、成約率を上げるという手段。
ただし、人間は無料でも不要に感じていることはやりません。
道端でポケットティッシュを配っていても、必要に思っていない時はもらわないですよね。
なので、ここで大切なのは「ついでにやってもらう」という考え方。
よく使われる手法として「点検商法」があります。
例えば、
- リフォーム会社:シロアリ点検を無料で実施→このままだと家が崩れると不安を作る→リフォームが売れる
- 美容院:頭皮チェックを無料で実施→皮脂が溜まっていて、ハゲる可能性があると不安を作る→ヘッドスパが売れる
- スポーツジム:会社向けに健康チェックプログラムを実施→仕事のパフォーマンスに影響するという不安を作る→入会する
このように「不安」を売ることで、成約率が自然に向上し、営業せずとも商品を紹介しておくだけで、お客さんが勝手に商品を購入してくれるのです。
単純接触効果を利用した継続顧客獲得法
さらに、SNS活用することで、リテンション(継続利用)を促すこともできます。
人間は不思議なもので、「単純接触効果(ザイオンス効果)」といって興味がないものでも、複数回見たり、聞いたりすることで自然と好感度や印象が高まるのです。
これを利用し、例えば、美容院の頭皮チェックの結果をLINEやインスタグラムで送るようにします。
お客さんとSNSで繋がることができ、お客さんはタイムラインからお店に関連したの投稿を見続ける。
すると、単純接触効果により無意識のうちに親近感が湧き、自然と次も同じお店選びやすくなるなのです。
こうすることで、継続的な顧客の確保も一緒にでき、安定した収益が見込めますよね。
モノではなく行動をマーケティング
一方で、「行動マーケティング」は顧客の行動だけを注視した施策になります。
行動で決めるビールの売り場
例えば、皆さんがスーパーの店長だったとして、ビールをどこに置いたら一番売れると思いますか?
実は、紙オムツの近くなのです。
なぜなら、子供の世話があり、家でお酒を飲む機会が増えたパパがビールを一緒に買っていくから。
数字だけを見るのであれば、店の中の一番いい場所に並べがちですが、お客さんの行動を見ることで、紙オムツとビールをセットにして売る「パパ応援割」などモノ中心でない施策を実行することができるのです。
コンビニのレジ募金に学ぶ行動マーケティング
皆さんは、コンビニのレジにある募金箱に募金をしたことはありますか?
おそらく、ほとんどの人が何に対しての寄付をしたのかは思い出せないかと思います。
つまり、募金したくてしたのではなく、行動の範囲にあったから無意識に募金をしていたということなのです。
まさに、その募金箱こそ「小銭をしまうのが面倒」という人間の行動を理解した行動マーケティングの代表例なのです。
実際に、募金経験のある人にアンケートを取ってみると以下のような結果になりました。
- コンビニレジ横の募金箱:87%
- 街中での募金呼びかけ:13%
街中での募金は、わずか13%と圧倒的な差が出たのです。
これは「立ち止まって、財布を出してまで募金をするのは面倒」という人間の行動を理解していないから。
TPOを理解して効率よく募金を集める例
- 小銭をしまうのが面倒なTPO → レジ、空港の出発ゲートなど
- 金銭価値を感じなくなるTPO → 遺書代行サービス、カジノなどギャンブル場
実際にあった面白い例として、弁護士に遺書の制作代行を依頼できるサイトで、貧困に苦しむ人たちの画像をポップアップで表示し寄付を呼びかけました。
すると、8割近くの人が数百万単位の寄付をしたそうです。
街頭で「募金お願いします」と叫ばずとも、大金を集めることができたのです。
このように募金一つにしても、タイミングや場所、人の行動を理解しているか、していないかで集まる金額に大きな差が出てしまうのです。
行動を理解した販売戦略
行動を予測した戦略を組むためには、2つの重要な設定を外すことはできません。
- メンタルアカウンティング
- ペルソナ設定
メンタルアカウンティングとは?
人の行動には癖があるので、メンタルアカウンティングを想定して戦略を練らなければなりません。
普段友達に100円のジュースを奢るのはケチるけど、女性とのデートには1万円以上使う。
といった、「人がお金に関して合理的ではなく、感情的に判断してしまう心理傾向」のことを言います。
例えば、フレンチレストランの単価向上の施策。
カップルが来た場合にはあえて単品のメニューは出さず、ちょっと高めなワインのコースメニューを松竹梅で3種類見せます。
すると、ほとんどの男性は、いいところを見せようと一番高いメニューを選んでしまう。
つまり、「男性の見栄」という心理と行動を把握した上で、マネタイズ方法を設計していく必要があるのです。
シャングリラホテルのペルソナ設定
シャングリラホテルのスイートルームでは、値段が決まっていません。
最初から値段を決めてしまうと、得られたであろうお金が減り、価値を下げる可能性があるから。
いきなり部屋に通され、至れり尽くせりの接客、チェックアウト時にボーイがシャンパンを持って来てヒアリングしつつも、さりげなく封筒を置いていく。
ペルソナ設定
- 年齢
- 職業
- 家族構成
- 年収
- 住所
- 旅行頻度など
富裕層のペルソナを設定し、満足すればいくらでもお金を払うという行動を把握しているからこそできる仕組みなのです。
自動化でモノを売らずに売る
人の行動を理解できれば、勝手にモノが売れていく仕組みを作ることができます。
例えば、マクドナルドを思い浮かべてみるとわかりやすいです。
みなさんは、マクドナルドの店員が16歳の高校生バイトであろうが、40歳のベテランマネージャーであろうが、ハンバーガーを買いに行きますよね。
結論、マクドナルドというのは、誰でも売れる「マニュアル」を作ったことに価値があるのです。
では、どうやって自動化マニュアルを作っていけばいいのか?
今後、別記事にて詳しく解説していきます。
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