伸びてる国で働くという話【海外で転職する際のポイント】
海外営業として働きたい人「転職して海外で働きたい。せっかく海外で働くんだから、伸びてる国で働きたい。実際に働いて生活している人の目線で、どんな国が伸びてるのか知りたいな。」
以前に、伸びてる業界で働くというトピックで記事を書きましたが、 今回は海外で転職を考えている日本の友人から上記のような質問をされました。
ネット上でもこういった情報が少なかったので、実際にベトナム、インドネシア、フィリピン+その周辺国で働いてきた、僕の経験をもとにこういった人たちの疑問にお答えしようと思います。
というわけで、今回は以下のポイントに絞って、解説していきます。
- 伸びてる国で働くメリット・デメリット
- おすすめの伸びてる国
- 実際に伸びてる国で働くことで何を得られたか?
- まとめ
伸びてる国で働くメリット・デメリット
色々ありますが、長くなってしまうので、3つずつ代表例を挙げようと思います。
メリット
- 成長の勢いを肌で感じられる
- 若者が多く活気がある
- ハングリー精神が高まる
成長の勢いを肌で感じられる
新しく道路ができた、鉄道ができた、日本にいると当たり前になんでも揃っているので、困ることがないのですが、成長国にいると、小さな喜びを感じることが多く、 非常に新鮮な気持ちでいることができます。
若者が多く活気がある
東南アジアの多くの国に共通することですが、とにかく赤ちゃん、子供が多いです。
電車やバスに乗ってても、コンドミニアムの部屋の近所には必ずと言っていいほど小さな子供がいて、泣いたり、走り回ったりしています。
所得も上がり、購買力の高めな中間層が増えているので、衰退が叫ばれている日本では感じられないパワーを自然ともらうことができます。
ハングリー精神が高まる
日本人として海外で働くということは、日本人相手のビジネスでない限り圧倒的なディスアドバンテージとなります。
例えば、営業の仕事であれば、生まれながらにその国で生活しているローカルスタッフの方が、コネクションがあったり、特性を知っており、言葉も通じるので、その人たちよりも何倍も情報を取りに行かないと自分の価値を出すことはできないです。
故に、日本にいるときよりも、ハングリー精神は上がるでしょう。
デメリット
- 不便が多い
- お腹を下す頻度が多くなる
- 商習慣の違い、リスクがある
不便が多い
日本であれば、あらゆるところにコンビニがあり、行きたいところに簡単に行けて、欲しいものは何でも安く買えてしまう。
ところが、新興国となると当たり前ですが、まだまだ発展途上で、生産能力は低く、日本での商品・サービスクオリティを求めることは、ほぼほぼ不可能です。
いかに不便を楽しめるか、そしてそこにビジネスチャンスを感じられるかが、楽しみながら生活をするキーとなります。
お腹を下す頻度が多くなる
これは個人差もあるかもしれませんが、主に水や食べ物が原因で頻繁に起こることを覚悟しなければなりません。
水や食べ物、衛生環境で日本に勝る環境は、地球上にないと考えてください(笑)
いずれ身体がアジャストしてくれるその時まで待ち、なるべく水や屋台での食事は自己責任で。
商習慣の違い、選挙リスクがある
前者は例えばフィリピンであれば、とんでもない量の書類に未だに手書きでのサインを3コピー分サインさせられる。
銀行口座を持っている人が少ないため、未だに”チェック=小切手”と呼ばれる紙に誰宛にいくらと金額を記載して、それを手渡しし、取引先に銀行に行ってお金を引き出してもらう。など、石器時代のような習慣があったりします。
後者は、大統領選挙の結果次第で、ビザなどの就労環境を含む、法律がガラッと変わるなんてこともざらにあるため、選挙のある年は、特に注意深く情報を取りに行く必要があります。
日本は最高、だけど…
新興国で生活すると、誰もがこう感じます。
日本の良さを再認識
ハッキリ言って、僕も日本以上に住みやすい国はないと思っています。
ただ、すでに成長しきった日本で生まれて生活をしてきた僕らには、高度経済成長期を経験することは、タイムマシーンができない限りできません。
それが、インターネットの発展でより高次元な現代に体験できるのは、小さなデメリットを受け入れる覚悟をしてでも経験すべき大きなチャンスだと僕は思います。
おすすめの伸びてる国
では、どんな国がオススメなのという本題に入ります。
結論、人それぞれ合う、合わないはあるのですが、あくまでビジネス目線で、経済的な将来性の高い爆伸び注目株と堅調な成長に分けて、僕が実際に生活して感じていることも入れつつ解説していきます。
爆伸び注目株3選
インドネシア
まず最初は、人口は2億6,400万人でASEANの中で、圧倒的1位を誇り、GDPもここ数年は5%台を維持しているインドネシア。
意外と驚く人が多いのですが、実はインドネシアはあと数年で日本のGDPを上回り世界4位に躍り出ると言われています。
リゾートとして、バリ島は非常に有名ですが、首都であるジャカルタに観光で訪れたことのある方は少ないのと、 情報を積極的に取りに行かない限り、なかなか耳に入りづらいからだと思いますが。
また直近では、ジャカルタのあるジャワ島が長年の地下水の汲み上げによって、沈んでいるという問題があり、カリマンタン島へ首都移転を進めると決定が出ました。そしてその移転計画の運営委員会に、あのSoftbankグループの孫正義会長が任命され、さらに約300~400億ドル投資する提案をしたというニュースも出たばかりです。
実は、孫さんはこれまでもライドシェアのGrab(東南アジア版Uber)に17億ドル、その後、インドネシア企業のデジタルインフラ整備の資金として20億ドルをGrabを通して投資を決定、そしてECサイトのTokopediaという企業にも数年前から100億円以上の投資を続けていました。
このように、明らかに投資と政府との接点を増やしており、この国の成長を確信しているように感じますね。
ベトナム
北部にある首都ハノイ、リゾートで有名な中部ダナン、南部のホーチミンシティがビジネスの中心となっている唯一の共産主義国家ベトナム。
人口はインドネシア、フィリピンに次ぐ9,620万人で、数年で1億人に届こうかという勢いで増え続けています。
ビジネスとしては、数年前は低コストでエンジニア、プログラマーがたくさんいるということで、IT企業のオフショア開発拠点として多くの会社が進出し、そこで培ったスキルをもとに独立していく若者が非常に多いです。
実際、IT系のイベントで会う人、会う人が僕が当時働いていた会社出身で、後に独立、起業し、日本からオフショアの案件を取って経営しているということがあり、驚いたことがありました。
また、ベトナム理系大学の最高峰であるハノイ工科大学では非常に優秀なエンジニアがたくさんいるとして、現地の大手企業が囲い込みをしていることがあるぐらい、競争力が高いため、エンジニアとして海外で働きたいという人には特におすすめの国です。
フィリピン
治安が悪いというイメージがある人はまだまだいるのは、正直なところですが、 実はGDP驚異の6%台で成長を続けているフィリピン。
若い人=購買意欲のある年齢層を表す、人口ピラミッドでも実は2062年まで続く東南アジアNo.1の数値を叩き出しており、巨大な内需を長期的に保持し続ける希少な国でもあります。
ただ現実には、国内に雇用機会が少ないため、OFW(Overseas Filipino Worker)と言われる海外で働くフィリピン人の送金が約3兆円と、GDPの 約1割を占め、家族の生活=内需を支えています。
そのため、優秀なエンジニアとメイドや看護師など多くの人材が世界中に流れているという側面もあります。
一方、国内では英語がほぼ公用語なので、英語圏のカスタマーサービス用のコールセンターや営業部隊などのBPOが多く、コストセンターとしての位置づけが高く、内需で圧倒的に成長しているという企業は少ない印象です。(財閥以外)
堅調な成長3選
シンガポール
唯一の先進国。公共交通機関などのインフラが整っており、海外赴任者に人気のシンガポール。
国土は東京23区ほどの小さな国なので、内需の爆発的なスケールは見込めません。
しかし、 何と言っても、政府が企業や個人投資家の税制を優遇し、海外からの投資を成長ドライブにしている国です。
上記の理由から、新たにASEANで事業を展開する際には、ほぼマストで本社機能をシンガポールに登記するため、大手企業からスタートアップまで、拠点を持っており、東南アジアで転職したいというにとっては選択肢が多く、おすすめです。
各国から多くの起業家や優秀な人材が移民としてやってくる仕組みがある限り、 ハイレベルな競争が生まれるので、今後も経済成長は続くと言っていいでしょう。
タイ
タイは、すでに新興国というより、成長しきって人件費も上がり、成長が落ち着き始めた感もありますが、それでもGDPは3%後半から4%台で堅調に成長し続けていく見通しです。
東南アジアで働く人たちからすると、バンコクの中心地はほぼ日本と変わらない生活ができることから、日本人の転職先、移住先として非常に人気が高いです。
そのため、日本人相手のみのビジネスでも成り立っている会社もあり、東南アジアで一番多くの日系企業が進出しています。
日本での環境を圧倒的に変えずに、海外で転職、生活したいという人にはおすすめの国です。
マレーシア
最後は、シンガポール同様、マレー系、中華系、インド系が異なる文化が混在する多国籍国家のマレーシア。
上記の理由で、共通語として英語でのコミュニケーションは大体の人ができます。
そのため、フィリピン同様に海外のIT企業カスタマーサポートなどのBPO産業や製造業が盛んで、日本人向け求人も多い印象です。
首都クアラルンプールは、電車や無料のバスがあり、何よりも家賃、食費など生活におけるコスパが非常に良いです。
そのため、リタイア後の日本人の移住先としても長年No.1を維持しており、サラリーマンとして働くだけでなく、リタイア後に移住したいという方にもおすすめの国です。
実際に伸びてる国で働くことで何を得られたか?
最後に、実際に僕がこれまで伸びてる国で働いてきて、何を得ることができたか。
- 圧倒的な自信
- 心のゆとり
- タフな精神力
圧倒的な自信
多くの人は知り合いもおらず、頼る人もいないという状態でスタートし、普段の生活でも困難を味わいながら、環境に適応して仕事をすることになります。
ただ、それを積み重ね、異国で生活を築けたという経験は、今後の人生で活きる圧倒的な自信につながります。
心のゆとりと充実感
基本的には、景気がいいと不思議と国全体の雰囲気も明るく感じられます。
仕事もきっちり時間内に終わらせ、プライベートを大事にするという文化が強いので、日本で暮らしている時よりも精神的なゆとりと人生における充実感が高いです。
タフな精神力と行動力
成長国で日々、生活をする上での困難が多いので、時が経つにつれ、それを乗り越えたこと強さから来る、大抵のことでは動じなくなるタフな精神力、また仕事やコミュニティで新たな人と出会う機会が多いため、コンフォートゾーンを抜けて飛び込んでいく行動力も自然と身につきます。
まとめ
というわけで、今回は海外での仕事を見つける際に、どの国で働くかを戦略的に決めて働こうということで、経済的に伸びてる国という視点でお話をしました。
要点をまとめると、
- 若者が多く、活気があり成長の勢いを肌で感じられる
- インドネシア、ベトナム、フィリピンがアツい!
- 自信とタフな精神力、そして心のゆとりが手に入る
この記事を読んで、ビビっと来た方は、ぜひ行動に移してみましょう。
この記事が少しでも、転職して海外で働きたい、住んでみたいという人にとって有益な情報になれば幸いです。
では、また!