【前編】論理的思考スキル【ドラマティックよりロジカルな判断】
「ビジネスにおける論理的思考を学びたい。だけどめちゃくちゃ難しそうだな…具体的にどういうトレーニングや考え方をしたらいいのかな?わかりやすく解説してほしいな。」
そんな意識高めの悩みを持つ、あなた向けの記事です。
今回もビジネスのベーススキルである論理的思考スキルについて、画像と具体例を多めに解説していきます。
もくじ
- フェルミ推定で見る考え方の答え
- ビジネスは地動説思考であるべき
- 分断思考とネガティブ思考を捨てる
それでは、早速学んでいきましょう!
フェルミ推定で見る考え方の答え
皆さんは「フェルミ推定」という言葉を聞いたことがありますか?
論理的思考を鍛えるフレームワークで、Googleやマイクロソフトなどのグローバル企業の入社試験でにも取り入れられ有名になった考え方です。
では、どんな問題なのか、早速考えてみましょう。
ラーメン屋の売り上げと利益
さぁ、問題です。
以下の、ラーメン屋の1ヶ月の売り上げと利益を計算してください。
- 座席数:15席
- 場所 :神田駅周辺
- 従業員数:3名
- ラーメン価格:680円
普通に考えて、正確な答えを出すのはほぼ不可能ですよね。
フェルミ推定では、あくまで考え方の正解・不正解を見る問題なので、答えの正解・不正解を求められません。
まずは、一般的な飲食店の売上の構成となるものを整理するため、表に書き出してみましょう。
フレームワークができれば、あとはそれに数字を当てはめるだけ。
ざっと当てはめてみると、一応利益は出てそうだなということはわかりますよね。
あくまで、フレームワーク(=式)を理解していることが重要で、トレーニング次第で誰でもできるようになります。
例えば、ふらっと立ち寄った飲食店の待ち時間に計算してみるとか、競合企業の調査など、どんなビジネスでも当てはめて考えることができます。
ビジネスには、顧客の視点を論理的に説明、追求することが超重要で、まさにこの論理的思考というのは必須のスキルなのです。
ビジネスは地動説思考であるべき
- 天動説 → 地球を中心に、月や太陽が回っている
- 地動説 → 太陽を中心に、地球が回っている
今から、500年ほど前までは天動説が多くの人に信じられていました。
それが、今では真逆の地動説が常識になっています。
ここで言いたいことは、全てを鵜呑みにして正しいと思い込まず、常に疑ってみることが大事。
そのためには、データに基づいた事実を元に考えられる力が必要です。
一時的な感情の盛り上がり
例えば、みなさんもこんな経験はありませんか?
- 「欲しい!」と思った服があったけど、次の日に冷静になったら欲しくなくなってた
- 「超カワイイ!」と思った女性を次の日に見たら、そこまでときめかなかった
つまり、人間は一時的な感情でヒートアップして、実際に起こっていること以上のことを想像してしまうのです。
これはビジネスにも当てはまり、自分で事業をしていると思い込みが大きくなりがち。
「自分の視点がいつでも正しいのか?」ということを疑う必要があるのです。
人は物事をドラマティックにしてしまう
さらに、人は思い込みで、実際に起こってる以上のドラマティックに仕立て上げてしまう癖があるのです。
ここで問題です。
世界で予防接種を受けられない子どもは人口の何%でしょう?
- 20%
- 50%
- 80%
正解はなんと、20%。
写真や先入観に引っ張られ、50%、80%と答えた方は多いのではないでしょうか?
FACTFULNESSで有名なハンス博士によると、どんなに賢い人であろうが正解を当てられたのは、わずか10%の人だけ。
自分も含めですが、人は事実を知らないと、感情的なものに引っ張られ、ドラマティックに誇張されたイメージを抱いてしまうのです。
分断思考とネガティブ思考を捨てる
では、これらの思い込みを捨てるために、何をすべきなのか?
まずは、人間の本能である「分断思考」、「ネガティブ思考」をなくす意識が必要です。
分断思考とは?
なぜか、人間は世の中にある全ての物事を2つに分断しようとしますよね。
ただ、白か黒ではなく、その間に灰色もあれば、薄い黒があるようにグラデーション思考で考える。
例えば、これをビジネスで当てはめると、店舗の立地を決める際、一般的に交通量が多いほうがいいとされますよね。
店舗の立地を考える際の例
「そもそも、なぜ交通量が多いほうがいいのか?」
「これを前提に考えると、むしろ、交通量が少ないほうが、メリットある場合もあるのでは?」
街の中華屋さんなど、売上も少ないけど、そのぶん経費もかかってないので続いているという側面もあったりします。
交通量が多い場合のネガティブ、逆に少ない場合のポジティブを探す。
このように、ビジネスにおいては、条件を細分化し、グラデーション思考を実践していく必要があるのです。
ネガティブ思考
ネガティブ思考も捨てなければいけません。
人はネガティブなことに共感するのです。
典型的な具体例としては、バズりまくった「保育園落ちた、日本○ね」のケース。
保育園落ちた日本死ね
子供が保育園に落ちて仕事を辞めざるを得なくなったとみられる母親が2016年にネットに投稿した匿名ブログのタイトル。国会審議で野党議員が取りあげると、与党席から「誰が書いたんだよ」などというやじが飛び
保育園に入れたというポジティブなニュースであれば、メディアで取り上げられることもなかったですよね。
これを利用しているのが、テレビをはじめとするマスメディアなのです。
テレビを捨てる
テレビはすでにオワコンということに気づいている人も多いでしょう。
例えば、ひき逃げで子供1人が亡くなったというニュースがあるとします。
人が亡くなったという事実に対してのみ報道をすればいいのですが、マスコミは、辛い状況の遺族の自宅までわざわざ押しかけインタビューしますよね。
このように、メディアはネガティブセンサーとして、あたかも世界がどんどん悪くなっているかのように報じ、人々を煽ることで注目度と視聴率を上げるのが常套手段なのです。
ネガティブセンサーの事例
2018年に起こったソフトバンクの大規模通信障害。
ソフトバンク、通信障害で1万件の解約 宮川副社長「非常時にキャリア同士で支え合う構造を検討する時期に入った」
ソフトバンクの大規模通信障害直後に、1万件の解約があったことが明らかになった。
「4~5日間で1万件ほどの解約があった」というのは事実ですが、これもよく分析してみると、実は普段からこの件数の解約は起きているのです。
- 1億7000万回線のうち23%がソフトバンク所有=約3910万回線
- 年間解約率2%=782,000解約/年
- 782,000解約/365日=2,142件/日
- 2,142件/日*5日=10,712件
知らず知らずのうちに、メディアの流す情報を鵜呑みにし、洗脳されているのです。
ビジネスにおいても、物事を定性的ではなく、定量的に判断することスキルが重要。
これらの理由から、しっかりとしたデータに基づく事実で判断すべきなのです。
大量の情報にあふれる時代に、一度冷静になり、論理的思考を働かせ事実だけを見ていくというスキルが、ビジネスでの明暗を分けると言っても過言ではないのではないでしょうか。
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