ビジネスチャンスの見つけ方【結論:世の中にある不を探しましょう】
ビジネスチャンスを探している人「将来的に起業を考えているけど、どうすればビジネスチャンスを見つけられるのだろう…成功例を含め、ビジネスチャンスの探し方を学びたいなぁ。」
そんな悩みを持つ方向けの記事です。
この記事を読むことで、起業する上で最も重要なビジネスチャンスの探し方が分かるようになります。
今回は「ビジネスチャンスの見つけ方」という考え方をもとに、わかりやすく解説していきます。
もくじ
- ビジネスチャンスは世の中の「不」にある
- 裏側にある真実を見つける
- 事業を成功させた戦略とは?
それでは、早速学んでいきましょう!
ビジネスチャンスは世の中の「不」にある
実は、ビジネスチャンスは石ころ以上に転がっており、世の中の「不」を見つけることが重要です。
なぜなら、人は不満、不安、不平等、不利益といったことを解決するためにお金を払ってサービスや商品を買うから。
例えば、スーパーで子供を抱っこして、ベビーカーを転がしながら買い物するお母さんを見かけますよね。
これは、すでに世の中にある「不」=ビジネスチャンスなのです。
だからこそ、コープのような家の前まで、食材を運んできてくれるサービスのニーズが生まれ、それがビジネスとなるのです。
フィリピンで見つけたビジネスチャンス
エス・エム・エスという東証一部上場企業の海外拠点、SMS Asiaの実際の例。
彼らがフィリピン進出時に、まず初めに降り立ったマニラの道中で、早速ビジネスチャンスを発見しました。
まずは、みなさんもこの2つの写真を見て、どこに「不」があるか考えてみましょう。
フィリピン・エドサ通りの風景
フィリピン・マカティ・メディカル・センター(病院)の風景
- ① 道路脇の看板広告が多いな
- ② 病院が高級感あってキレイだな
こんなことを思った人が多いのではないでしょうか?
実際に僕は、現在フィリピンに住んでいますが、日本のように国民皆保険制度はなく、医療費も非常に高いため、誰でも気軽に行ける場所ではありません。
その上で、フィリピンの病院に行ってみると、こういったことも感じます。
- ③ 待ち時間が長い
- ④ 高級車の乗り付けが多い
ただ、これらは「Surface Fact」と言われ、表面上に見える事実。
ほとんどの人が、なぜそれが起きているのか、という物事を深くまで考えることはないと思います。
ビジネスチャンス「不」を見つける際には、その裏側にある「WHY?」を考えていく必要があります。
裏側にある真実を見つける
では、先ほど見えた「Surface Fact(表面上の事実)」をもとに、WHYを突き詰めていきましょう。
Reverse Fact(裏側の真実)
- ① 道路脇の看板広告が多いな → 運転しながら広告を認識するのは難しい、無駄な広告費だな(不経済的)
- ② 病院が高級感あってキレイだな → お金を持ってる人しか来れなさそうだなぁ(不平等)
- ③ 待ち時間が長い → 待ち時間長くてイライラするなぁ(不満)
- ④ 高級車の乗り付けが多い → 貧乏な人が多いのになぁ(不平等)
ここで見えてきた「不」を、裏側の真実「Reverse Fact」と呼びます。
そこで、SMS社が提供し始めたのが、Medical Adsという病院内に広告を出せるサービス。
上述の「Reverse Fact」をもとに、「病院の中に広告看板を出した方がいいのではないか?」という考えから生まれ、今でもSMS社の東南アジア拠点のビジネスの柱となっています。
クライアントに対して解決できる3つのこと
なぜ、このMedical Adsが、ビジネスとして成功したのでしょうか?
理由は、以下3つのクライアントの課題が解決できるからです。
- 広告効果の効率化
- コストの削減
- ブランディング向上
広告効果の効率化
病院内広告で、既存のOOH(Out of Home)看板広告よりも効果を上げられる理由として、2つ挙げられます。
- 必要なターゲットのみにリーチ
- タイムボリューム(View Time)=教育広告
必要なターゲットのみにリーチ
まず、既存の看板広告を思い浮かべてもらえば分かりますが、マス向け広告は人を選ぶことはできません。
一方のMedical Adsでは、ある程度お金を持った購買力のある層だけにリーチすることができ、かつコストも抑えることができます。
タイムボリューム(View Time)=教育広告
さらに、もう一つのメリットとして、タイムボリューム=見られる時間の長さが圧倒的に変わってきます。
道路脇の看板であれば、車内から数秒見える程度。
先ほどのエドサ通りは渋滞で有名ですが、それでも数分程度で、どんな会社か、サービス内容なのかまでじっくり伝えることはできません。
一方で、病院内では、僕の経験上だと2時間以上、下手すると半日以上待たされるなんてことはざらにあります。
つまり、よりコストを抑えた上でターゲット層を絞り、パンフレットやサンプル商品などでじっくりと教育をする広告が提供できるということですね。
コストの削減
Reach | View Rate | Segment | Price | |
OOH広告看板 | 4,000,000 | 1,200,000 | 120,000 | 120万/月 |
Medical Ads | 250,000 | 125,000 | 125,000 | 60万/月 |
同じターゲットでも、半額以下で広告が提供できる。
ブランディング向上
ドクター商法といって、ドクター=権威、安心という印象、消費者心理を使うことで、ブランド力を上げることができます。
これは、Dr. Pepperやドクターシーラボなど名前に直接入れることや、健康食品などのCMで医者が勧めるという手法で見ることができると思います。
実際に、僕はインドネシアに駐在していた頃、医療機器メーカーの広告を担当しており、血圧計やぜんそくの吸入器といった商品のほとんどが、お医者さんの勧めで購買されており圧倒的なシェアを取っていました。
事業を成功させた戦略とは?
では、実際に見つけたビジネスチャンスをどのような戦略で事業化し、成功させたのでしょうか?
- 無在庫商法
- 独占契約
- 競合排他
無在庫商法・独占契約
ドクターに対して、空きスペースを貸してもらうように交渉し、クライアントが決まったらそこから利益をシェアするという契約にしました。
つまり、病院側にも、SMS社側にもこの時点では、金銭のやり取りは発生せず、双方にとってリスクはゼロ。
さらに、SMS社以外にスペースを売らないよう契約書に記載、医者側は「空きスペースでお金がもらえるなら全然いいよ」と乗り気になるので、たくさんのクリニックでスペースが確保できたのです。
逆に、広告主への売り方は、独占の年間契約にする。
スペースは限られているので、「あなたが買わなければ、他に売るよ」というスタンスで、売ることができる。
かつ、年間契約なので、SMS社として安定した収益が見込める。
独占することで競合を排除し、希少性を出すことでクライアントへの価値を上げ、会社としては経営の安定を図ることができる考えられたビジネスですよね。
アインシュタインになろうとするな
アインシュタインは物理学者として様々な発明をしましたが、ビジネスにおいては、スティーブ・ジョブスの伝説のスピーチにもあったように、Connecting the dots (点と点をつなげる) という思考法が重要なのです。
つまり、
オープンソース化の時代
誰でもWordPressを使ってブログやサイトが作れ、Androidでスマホメーカーが端末を作れるなったように、これまで企業秘密だった情報が、オープンソース化によって、世の中へ民主化されました。
つまり、新しいものを作ろうとせずに、すでにあるものとあるものを掛け合わせ、進化させていくだけでも、すぐにビジネスを作り出すことができるのです。
顧客ターゲットは絞るな
病院内の広告というと、製薬業界や健康器具など医療に関係する業界が顧客のターゲットになりそうというイメージは湧くかと思います。
実際に、SMS社は当初、ターゲットを絞り製薬会社を中心に営業をかけていました。
ただ意外にも、不動産や車メーカーが一番の顧客となり、業種を広げた瞬間に事業が拡大したのです。
- 1位:不動産(時間と所得)
- 2位:車メーカー(所得リーチ)
- 3位:健康器具(健康意識)
なので、顧客ターゲットを絞るという行為はNG。
ここから学べることは、先入観を捨て最大のマスの中で勝負していくべきということなのです。
「ニッチ戦略」と「ターゲットを絞る」は違う
ターゲットを絞るという行為は、取れるはずの最大のマスを自ら小さくし、機会を損失することになるので、するべきではないのです。
例えば、居酒屋を出す際にウィスキーやワイン、日本酒、ビールと提供するドリンクが多ければ、仕入れコストは上がる。
- ニッチ戦略:ビールのみを提供 → 最小コストで最大のマスを取り込める
- ターゲットを絞る:ビールのみを提供するが、男性40代サラリーマン向けなどマスを小さくしてしまう
ビールを目的に、お店に来てくれるなら女性だろうが、70代のおじいちゃんだろうが、みんなお客様であり、お金を落としてくれるので全く問題ないですからね。
最後に
時代に合わせるのであれば、オンライン広告を軸にビジネスチャンスを考えてしまいがち。
ただ、フィリピンのようにネット回線がまだまだ遅い国では、一気に広告費をシフトチェンジさせるのは難しいのが現状。
だからこそ、あるもの(屋外広告)とあるもの(病院の空きスペース)をつなげたアイデアがハマったという新興国における0→1のお手本のようなケースですね。
ビジネスチャンスを見つけるには、新しく何かを作ろうとせず、できるだけ多くの情報に触れ、点と点を線にすることが一番重要なのです。
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