SEA Groupって何者?【18ヶ月で株価880%上昇!】

BUSINESS TRENDS

こんにちは、旅リーマンのZuminです。

先日、こんなツイートをしました。

僕は、最近米国株に投資をしているわけですが、東南アジア在住者として、SEA Group(ティッカーシンボル:SE)の圧倒的な成長は見逃せません。

今回は、東南アジアに住む僕が、SEA Groupはどんな会社なのか?、そして独自の視点でなぜこれだけ伸びているのか?ということを解説していきます。

もくじ

  • SEA Groupって何者?
  • SEA Groupの強さ
  • SEA Groupの今後の展望

SEA Groupって何者?

SEA Groupって何者?

SEA Groupは2009年にシンガポールにて、設立されたテック企業です。

本社シンガポール
拠点インドネシア・マレーシア・タイ・フィリピン
ベトナム・台湾・日本・韓国・中国・ブラジル
創業2009年
CEOフォレスト・リー
従業員数29,800名
売上高$909.1 million(約950億円)

出典:Bloomberg

SEA Groupは中国・天津市生まれのシンガポール人である、フォレスト・リー氏(上記写真)によって2009年5月に創業されました。

リー氏は、上海交通大学を卒業後、2005年にスタンフォード大学のMBAを取得。

かの有名なスティーブ・ジョブスのスピーチに感銘を受け、スタートアップ業界に飛び込む決意をしたそうです。

SEA Groupのタッグラインである「Connecting the dots」はジョブスの名言に影響を受けているんですね。

SEA Groupロゴ

SEA Groupのビジネス

SEA Groupのビジネスの柱としては、主に3つあります。

  • ゲーム:Garena
  • Eコマース:Shopee
  • 金融:SeaMoney

Garena

Garena

GarenaはSEA Groupの創業当初からの事業であり、モバイルやPC向けのオンラインゲームがメインとなっています。

ゲームのコンテンツとしては、中国のTencentやEA Sportsなど大手企業からライセンスを取得し、東南アジアに輸入したものと、自社で開発をしたコンテンツの2パターンがあります。

他社コンテンツとしては、League of LegendsやArena of Valorなどが有名です。

自社開発においては、Free Fireというゲームがあり、2019年に世界で最もダウンロードされたモバイルゲームで、全世界で1000億円以上の収益を計上した稼ぎ頭となりました。

ゲームの内容としては、最大50人のプレイヤーで武器や装備品を求めて、闘うバトルロワイヤルのような内容になっています。

上記の画像にある通り、東南アジア拠点の企業だけあって、低スペックのスマホでもサクサク動くように、若干グラフィックのレベルを下げているのが特徴です。

出典:Tech in Asia

近年はeSportsの盛り上がりを受け、東南アジア、台湾、ブラジルなどで、Free Fireのプロリーグを開催し、数万人規模の巨大アリーナを埋めるほどのイベントを開催しています。

こうした大会を主催することで、ゲーム利用者とのエンゲージメントを高め、世界中のファンコミュニティの拡大に寄与しています。

Shopee

Shopee
出典:Campaign Asia

ShopeeはEコマースプラットフォームで、簡単に言えば、東南アジア版のAmazonという認識で問題なしです。

元々は、C2C(消費者同士)の市場としてスタートしましたが、後に業者やメーカーも販売するB2Cのハイブリッドに移行しました。

僕もコロナショック以降ヘビーユーザーなわけですが、Alibaba傘下の競合Lazadaに比べて強みは3つあると感じます。

  • チャットで売主とコミュニケーションが可能
  • 配送が早く、手数料も低い
  • 販売主として登録のハードルが低い

その他にも、ライブコマースの「Shopee Live」という機能では、ライブで販売者の商品紹介の動画が見れたり、

ゲーム会社ならではの「Shopee Games」ではミニゲームが用意され、プレーすることで、プラットフォーム上で使えるコインを報酬として得ることができたりと、ユーザーを長く滞在させ、エンゲージメントを高める施策が多数。

SeaMoney

SeaMoneyは、2014年に開始されたデジタル金融サービス。

このセグメントは情報があまり出ていないのですが、タイ語とベトナム語のAirPayサイトは確認できたので、この2ヶ国が主なマーケットになっているかと思います。

現状は、Shopee内のShopeePayやGarenaのゲーム内のアイテム課金のデジタルウォレットとして紐づけられています。

2020年の7月時点では、売上は約15億円とそこまで大きくなく、45%がインドネシアのShopee経由での利用だそうです。

ぶっちゃけ、Shopeeで買い物する時に、必ずこのウォレットを使う必要はないので、お金を入れておくメリットは今のところは感じられていないです。

QRコード決済のAirPayに関しても、現在進行形でオフラインでの加盟店を増やしている段階だそうですが、少なくともインドネシアとフィリピンでは見たことがないです。

SEA Groupの強さ

SEA Groupの強さ

個人的に感じるSEA Groupの強みは、以下の3つ。

  • トレンドに乗っかるマーケティング
  • 圧倒的な露出力とローカライズ
  • 強力なチームの内製化

トレンドに乗っかるマーケティング

主にShopeeでの広告宣伝ですが、トレンドを捉えるのが非常にうまい印象です。

例えば、2018年「Baby Shark」という子供向けの歌が流行りましたが、各国で替え歌とダンスを用いた中毒性のあるCMを展開。

各国で出演タレント、言語や曲調なども変えることでローカライズをし、強烈な印象を与えました。

僕は、当時インドネシアにいましたが、Webからテレビ、エレベーターの中まで同じ曲のCMが繰り返され、みんながShopeeの歌をオフィスで口ずさむくらい浸透していました(笑)

圧倒的な露出力とローカライズ

Shopeeは東南アジアにおいては、後発のEコマースサイトです。

数年前までは、現在はアリババ傘下のLazadaが圧倒的にNo.1の地位でした。

東南アジアEコマース市場

しかし、豊富な資金量で東南アジア各国で影響力のある俳優や、世界的なスターをアンバサダーに起用することで、一気に認知度を上げ競合をごぼう抜きしてきました。

Shopeeブランドアンバサダー

例えば、有名どころだと

  • クリスティアーノ・ロナウド(東南アジア全域)
  • BLACKPINK(東南アジア全域)
  • マニー・パッキャオ(フィリピン)

個人的に、ロナウドやBLACKPINKのような世界的スターが東南アジア各国の言葉でCMに出るというのは、今まで見たことがなく、現地ユーザーの心を掴むのが上手いなと感じます。

強力なチームの内製化

SEA Groupのマーケティング力の強さはお分かりいただけたかと思いますが、これも強いチーム作りがあるからこそ。

とある人材系企業の方とお話をしたことがあるのですが、その企業では何人もSEA Groupに人材を紹介しており、優良顧客だったそうです。

ところがある日、人材紹介をしていた担当自身がSEA Groupにヘッドハンティングされ、それ以降採用は内製化されてしまったのだそうです。

非常にしたたかですね(笑)

「Connecting the dots」をタッグラインとしているように、ゲームもEコマースも後発であり、特に新しいテクノロジーで勝ち上がってきたというわけではないです。

ただ、サービス全体の内製化を進めることにより、圧倒的なスピード感と資金力で東南アジア全体におけるプレゼンスを一気に高めてきました。

この強いチーム作りこそが、成長スピードの要因となっているのだなと実感しました。

SEA Groupの今後の展望

SEA Groupの今後の展望

SEA Group(ティッカーシンボル:SE)は2017年10月にニューヨーク証券取引所に上場を果たし、2020年には株価が過去18ヶ月で880%上昇、東南アジアで最大の時価総額を持つ会社となりました。

コロナショックにより、東南アジア各国ではロックダウンが続き、一気にゲームとEコマースの需要が加速。

ここ18ヶ月の株価では、なんとGAFAやTesla、Netflixなどの巨大企業をもしのぐ急成長を果たしています。

これまでは、Tencentの強力なバックアップのもとに支えられていた感が強いですが、前述のGarenaによる初の自社開発ゲーム「Free Fire」の世界的ヒットによって、収益化が加速しました。

これにより、Eコマース事業のShopeeへの投資はさらに拡大し、一気にマーケットを取りに来るでしょう。

さらに、所得が少なく、銀行口座を持てない人が大多数の東南アジアでは、スマホ1つで完結できるデジタル決済事業は、まだまだ伸びしろがある事業です。

6.5億人の東南アジアという巨大マーケットで成功体験を作り、それをもとに日本や中南米、ロシア、インドという巨大マーケットも虎視淡々と視野に入れています。

東南アジアといえば、シンガポール発のライドシェアGrabやインドネシアのGojekが「デカコーン」として有名ですが、SEA Groupが東南アジアの代表企業として取り沙汰されるのは、すぐそこかもしれません。

僕も東南アジア在住の1ユーザーとしてサービスを利用しつつ、株式投資という面でもいくつか引き続きウォッチしていきたいと思います!

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