【超簡単!】キャッシュフローの見方とは?【経営に必須の財務スキル】

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財務スキルを学びたい人「将来起業したいけど、文系だったし財務スキルとか全然わからない。キャッシュフロー計算書ってどうやって見たらいいの?超難しそうな単語と数字だらけで、頭おかしくなりそう…」

そんな悩みを持つ方向けの記事です。

何を隠そう、過去の自分自身の悩みでもありました。

この記事を読むことで、経営や投資に必要な「キャッシュフロー計算書(CF)」の見方が、誰でも超カンタンに理解できるようになります。

今回は財務スキルの考え方をもとに、基礎からわかりやすく解説していきます。

もくじ

  • キャッシュフロー計算書(CF)とは?
  • 8パターンのキャッシュフローで理解する経営状況
  • クイズ!どの会社のキャッシュフローか考えてみよう!

それでは、早速学んでいきましょう!

キャッシュフロー計算書(CF)とは?

キャッシュフロー計算書(CF)とは?

キャッシュフローとは、その企業の実際のお金の動きを把握するのに必要な計算表のことを言います。

つまり、その会社がどういった事業にお金をつぎ込んでいるのか、経営状態はどうなのかを把握することができるようになります。

損益計算書(P/L)貸借対照表(BS)と合わせて学ぶと、さらに理解が深まるので、まだの方はぜひ以下の記事を参考にしてみてください。

覚えるのは3つだけ

では実際に、ソフトバンクのキャッシュフロー計算書を見てみましょう。

参照:ソフトバンクグループ四半期報告書(第40期第3四半期)

字が細かくごちゃごちゃしていて、うわぁとアレルギー反応を起こした方も多いはず(笑)

でも大丈夫です!

シンプルに以下の3つのカテゴリーを覚えて、数字を表に当てはめるだけで圧倒的に分かりやすくなります。

  • 営業活動:本業の営業活動によって、どの程度現金の増減したか
  • 投資活動:投資によって、どの程度現金の増減したか
  • 財務活動:資金調達と返済で、どの程度現金が増減したか

営業活動

営業活動によるキャッシュフロー

営業活動のキャッシュフローは、本業によってどれだけ現金が動いたのかを表し、主に以下のようなものが含まれます。

  • 商品を販売して手に入れた現金
  • 材料を仕入れるために支払った現金
  • 広告宣伝費など販管費支払いに流出した現金
  • 税金支払い・保険金受け取りなど

営業活動のキャッシュフローは、3つの区分の中で一番重要です。

本業で儲けることができていなければ話にならないためです。

なので、プラスで上向きである方が良く、下向きでマイナスの状況が長く続いているようであれば、他の活動で補っていく必要があるため、経営基盤がまずい状態にあると判断できます。

投資活動

投資活動によるキャッシュフロー

投資活動のキャッシュフローは投資によって会社に流入、流出した現金の動きを表し、主に以下のようなものが含まれます。

  • 設備投資(工場・トラック・備品など)
  • 子会社等への投資

投資活動に関しては、マイナス=悪いということではなく、むしろマイナスになっている方が理想的となります。

なぜなら、どれだけ積極的に投資をして、事業拡大しようとしているかがよく分かるから。

財務活動

財務活動によるキャッシュフロー

財務活動のキャッシュフローは資金調達や返済による現金の動きを表し、主に以下のようなものが含まれます。

  • 銀行や投資家からの借入や返済
  • 新株発行による収入

財務活動はシンプルに調達すればプラス、返済すればマイナスとなり、上場した場合は、この区分がプラスになる場合が多いです。

3つの数字のまとめ

キャッシュフロー3つの数字のまとめ

さぁ、ここまで理解できれば、あとはキャッシュフロー計算書から各区分の小計値を取り、表に当てはめるだけ。

実際にソフトバンクグループの数字を見てみましょう。

キャッシュフロー

  • 本業の通信事業などで6200億を稼ぎ
  • 投資でそれ以上の3.7兆をつぎ込み
  • 外部の投資家や銀行から3兆円を調達
  • 最終的に3.8兆円の現金が手元に残っている

この図を見るだけでも、どこにお金が流れているのか、そしてどれだけ投資に力を入れて攻めているかが一目瞭然でわかりますよね。

8パターンのキャッシュフローで理解する経営状況

8パターンのキャッシュフローで理解する経営状況

ここで紹介する8パターンのキャッシュフローの形を見るだけで、企業がどんなフェーズにいるのか推測をすることができるようになります。

① 健康経営

① 健康経営

本業でしっかり儲かって、その資金を投資や借入の返済に利用しているパターン。

健全な経営をしており、優良企業であることが分かりますね。

② 攻め型

② 攻め型

本業で儲かって、資金をさらに投資して足りない分を借入れしていることが分かりますね。

攻めすぎと言われていますが、ソフトバンクグループのような成長企業は、まさにこの形に入るかと思います。

③ 治療型

③ 治療型

本業や設備売却で得た資金を返済に充てていることが分かり、経営基盤の立て直しを図っている最中ということがわかるかと思います。

リストラや大規模なビジネスモデルの立て直しが行われている可能性が高いです。

④ 衰退型

④ 衰退型

本業で資金が流出して、設備を売却して返済を進めている動きが見え、経営が衰退して行っている状態が分かりますね。

現金化できる資産があるうちに、本業を回復させる必要があるといえます。

⑤ 勝負中

⑤ 勝負中

資金繰りが難しく、お金が流出しているが、借入によって投資をしており、現在進行形で勝負を仕掛けていることがわかるかと思います。

スタートアップなどの企業によく見られる形で、銀行の融資次第で環境が変わる可能性があります。

⑥ 危険型

⑥ 危険型

本業で稼げておらず、事業を売却しまくったお金で借入金を補っており、非常に危険な状態にあることが分かります。

東芝など、何とか首の皮一枚でつながっている企業によく見られる形です。

⑦ 将来に向け貯蓄中

⑦ 将来に向け貯蓄中

本業で稼げているのに、資産を売却し、資金調達までしているというちょっと過剰な会社です。

将来の大規模投資のために資金を貯めている最中かもしれないという仮説が立てられます。

⑧ 倒産危機型

⑧ 倒産危機型

本業でのキャッシュが尽きているのに、設備投資も行いつつ、借入金の返済も行っているちょっとナゾな会社です。

過去に積み上げた資金を取り崩しており、危険な状態と言えるかもしれません。

このようにキャッシュフローを8パターンで分類することで、企業の経営状態についてよく分かり、精度の高い仮説を立てることができるようになります。

クイズ!どの会社のキャッシュフローか考えてみよう!

クイズ!どの会社のキャッシュフローか考えてみよう!

さぁ、ここまででキャッシュフローの見方は理解できたと思います。

最後に、クイズ形式でクラウド会計ソフトを提供する「マネーフォワード」のキャッシュフローはどちらなのか考えてみましょう。

マネーフォワードCF

考え方のヒント

マネーフォワードのビジネスと聞いて、どんながイメージが浮かんでくるでしょうか?

  • 赤字で上場したことで有名だな
  • IT企業だから固定資産への投資はそこまでないはず
  • SaaSビジネスは短期的には赤字になりやすそうだな

SaaS(Software as a Service)モデル:単発でなく、月額課金でソフトウェアを利用するビジネスモデル → 例:Microsoft 360やAdobe Photoshopなど

こういった視点で見ていくと、自然に答えは導け出せます。

  • 赤字で上場したことで有名だな → 資金調達以上に投資するのは考えづらい
  • IT企業だから固定資産への投資はそこまでないはず → ②の可能性は低そう
  • SaaSビジネスは短期的には赤字になりやすそうだな→ ①

答えは、①でした。

マネーフォワードCF正解

ちなみに②は武田薬品工業。

製薬会社なので、施設など設備への投資が多くなり、アイルランドの製薬会社シャイアーを7兆円で買収したこともあり、投資活動に積極的なことが分かると思います。

CFの理解=企業の経営状態が分かり、投資や経営に生かすことができる

P/L、BSと合わせてマスターすることで、ビジネスを見る視点がグングン変わっていきます。

みなさんもぜひ、ここで学んだ財務スキルを使って、色んな企業の利益を分析してみてはいかがでしょうか?

この記事がみなさんの学びになれば幸いです。

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