ブランディング戦略【あなたのファンを育てるFES戦略とは?】

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会社のファンを増やしたい人「ブランドがない会社は衰退するって聞いたけど、ブランドやファンはどうやって育てていけばいいのだろう?」

そんな疑問を持つ方向けの記事です。

1:5の法則という言葉があるように、新規顧客を得るのに既存の5倍の労力とコストがかかると言われています。

であれば、ファンである既存顧客を増やすことに集中したいですよね。

この記事を読むことで、経営に欠かせないブランディングとファンの育て方を学ぶことができます。

今回は経営で必要なブランディング戦略を「ファンの育て方」という考え方をもとにアウトプットしていきます。

もくじ

  • ブランディング戦略とは?
  • 中小企業こそ必要なブランド価値
  • ファンを育てるFES戦略

それでは、早速学んでいきましょう!

ブランディング戦略とは?

ブランディング戦略とは?

ブランディング戦略は、競争の激しい市場で生き残っていく上で最も重要な戦略となります。

別記事の「ダイナミックプライシング戦略」でも解説しましたが、数が売れたら値段を上げていくという戦略にも繋がる欠かせないピースとなります。

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Value Premiumとは?

例えば、みなさんが一眼レフカメラを買うとして、Amazonと楽天どちらで購入しますか?

Amazon vs 楽天

  • Amazon:132,494円
  • 楽天:129,818円

おそらく多くの人が、Amazonを選ぶのではないでしょうか?

全く同じ商品で、楽天の方が安く買えるのに、Amazonを選んでしまう。

では、ラテを飲みたいと思ったら、どちらのお店で買いますか?

  • スターバックス:420円
  • ドトール:370円

こちらも、スターバックスを選ぶ人が多いのではないでしょうか?

同じラテ、同じサイズ、同じ豆ようなを使っているのに、なぜスターバックスを選んでしまうのでしょうか?

楽天が送料を無料にしようと、ドトールがボリュームを増やして、コーヒーのクォリティを上げようと、おそらく消費者であるみなさんの気持ちはそう簡単には変わらないですよね。

それは、「Value Premium=プレミア価値」があるからこそ。

Value Premium

いい商品 < いいブランド

要は、ブランドさえあれば、商品価格を上げ続けることはでき、価格が上がっても売れていく経営を実現することができるのです。

中小企業こそ必要なブランド価値

中小企業こそ必要なブランド価値

ブランディング戦略を組み立てる上で、最も意識しなければいけないのが、「Brand Evaluation=ブランド価値」

例えば、「無印良品のイメージを一言で表すと?」という質問をされたら、みなさんはどう答えますか?

無印良品

おそらく、ほとんどの人が「シンプル」と答えるのではないでしょうか。

この「シンプル」という多くの人の心にあるワードこそ、まさに無印良品の持つブランド価値で、1760億円の価値があると言われています。

ブランド価値 > 売上

ブランドを作り上げるうえでは、目先の利益を求めないという信念と覚悟もとても重要になります。

売れそうなものでも、ブランドを毀損するくらいなら、売るべきではないのです。

例えば、富裕層を相手に高級路線で売っていた大塚家具が、大衆向けに手ごろな家具を売り始め、売上が激減したというニュースは記憶に新しいかと思います。

「高級」というイメージを貫いていたにも関わらず、IKEAやニトリに対抗しようとした結果、ブランドイメージを大きく毀損してしまい既存の顧客は離れていきました。

つまり、目先の100万円の売上より、トータルの長い目で見たブランド力は軽視するべきではないのです。

三陽商会に見るブランド価値

みなさんは、ブルーレーベル・ブラックレーベル・クレストブリッジというブランドを聞いたことはありますか?

三陽商会

実は、2015年まで日本でバーバリーの販売ライセンスを持っていた三陽商会のブランドです。

実際には、バーバリーグループと新しく契約した後継ブランドという立ち位置なのですが、バーバリーの販売権を手放して以降の2017年には売上が倍近く激減。

  • 2014年:1109億円
  • 2017年:625億円

同じ素材、同じようなテイストの洋服を販売しているにも関わらず、ブランドが変わっただけでこれだけ売り上げにインパクトを与えてしまう。

ここから言えることはブランドは企業が決めるのではなく、消費者=社会が決めるということです。

つまり、言い換えれば

顧客に対して自分の強みの共通認識を与える
ブランド価値

ブランド≠価格

正しい「ブランディング戦略」を行うことによって、人々の脳内に「ブランド価値」が刻まれ、それが結果的に「プレミア価値」を作り出すという構造ですね。

  • 価格競争に巻き込まれない
  • 長期的な集客
  • 高利益率

ブランド価値は、中小企業にこそ必要で、大手と勝負せずに生き残っていくための唯一の手段とも言えるのです。

ファンを育てるFES戦略

ファンを育てるFES戦略

では、実際にどうブランドを構築し、ファンとなる顧客を育てることができるのでしょうか。

そこで、重要なのが以下3つの頭文字を取って、「FES戦略」

  • Functional:機能的価値
  • Emotional:感情的価値
  • Self-expressional:自己表現的価値

Functional:機能的価値

ここでは以下2つのポイントが重要です。

  • USPの把握
  • 8:2の法則

USPの把握

USPは「Unique Selling Point」の略で、自社の強みと顧客のニーズを把握するために必要です。

3C分析と呼ばれるフレームワークを活用し、導き出します。

例えば、ドミノピザのUSP。

彼らの強みは、飲食店なので「当然、味でしょ」と思うかもしれませんが、実は「スピード」

30分以内に届けられなければ無料と打ち出しているように、味よりも今すぐに欲しいというスピードを求める顧客が多いことを把握しているからこそ、そこに特化したブランディングをしていることがわかるかと思います。

8:2の法則

「2割の既存顧客が8割の利益を作り出す」と言われることもあるように、顧客の数がある程度に達した時点で、2割のお客さんだけに特化して喜ばせるサービスを考えることも必要。

一時的に、顧客の数は減るかもしれませんが、ファンである既存のお客さんが質の高いお客さんを引っ張ってきてくれるので、結果的に集客は増えていく。

USPと8:2の法則を理解しない限りは、平均的で特徴のないサービスや商品になり、結果的に大手との競争に埋もれていくことになります。

Emotional:感情的価値

感情に訴えるブランド訴求も効果的で、実際に多くのブランドで実践されています。

ここで重要なのは、以下3つのポイント。

  • Brand Statement:キャッチコピーや理念の明文化
  • Story-telling:ストーリー付けをする
  • Brand-hiding:ブランドをあえて見せない

Brand Statement

Brand Statement

  • JUST DO IT.
  • I’m lovin” it
  • お口の恋人
  • 「お、ねだん以上。」

誰もがこれらのフレーズを聞いた瞬間、企業名を答えることができますよね。

このように人々の記憶に残る短いキャッチフレーズを発信することで、消費者の注意を惹きつけやすくすることができます。

いいキャッチフレーズを生み出すポイント

  • ① 覚えやすい:1〜2秒で意味がわかる
  • ② 要点が含まれている:機能ではなく、得られるメリットを想像させる
  • ③ ブランドを差別化できる:他社とは違う何か
  • ④ ポジティブなイメージを与えられる:テンポやリズムのいいワード

Story-telling

感情を動かすためには、ストーリーを伝え、魅せる工夫が大事。

  • 世界観の統一 → どんな人がどんな内容をしているか
  • 人間味を出す → 感情が動く
  • 目的の設定 → 誰に見てもらい、何を感じてもらいたいか

ストーリーの付け方、魅せ方は、別記事で詳しく解説しています。

Brand-hiding

また、あえてブランドを見せないことも、ブランディング戦略の一つ。

例えば、「Away」アメリカ発ののスーツケースブランドの例が面白いです。

スーツケースのブランドにも関わらず、Instagramではほとんど商品を出す投稿はなく、その代わりに旅に出たくなるような写真を投稿しています。

ゴリゴリ商品を見せまくるのではなく、あえて商品に関連する旅行というキーワードで遠回しにストーリーを伝えることで、人間味のあるアカウントになり、売らなくてもファンが自然と買っていくという仕組みを構築しました。

結果、設立3年で300億円以上を売り上げるブランドに育っています。

Self-expressional:自己表現的価値

自分が参考にしている人と同じものを持っているだったり、希少性の高いものを持っているというような優越感を持たせるということ。

ここでは大きく2つのポイントがあります。

  • インナーブランディング
  • アウターブランディング

インナーブランディング

インナーブランディングとは、社内的なブランディング戦略。

細かいブランドガイドラインの設定が欠かせません。

ブランドガイドライン

  • 5-Senses:アバクロやMoussyの店内の香水
  • Communication:ディズニーランドの「キャスト」と「ゲスト」という呼び名
  • Concept:ドン・キホーテの安さ・品揃え・ワクワク感

企業には、必ずブランドガイドラインがあり、ロゴの色や使い方が細かく決められているのもこのためですね。

アウターブランディング

アウターブランディングは文字通り、顧客向けのブランディング施策。

そこで、重要視されているのが「5Aの法則」

5Aの法則とは?

5Aの法則とは?

  • Aware(認知):知ってる
  • Appeal(訴求):好きかも
  • Ask(調査):調べよ
  • Act(購入):買う
  • Advocate(推奨):友達に教えよう

SNS時代に最も重要なのは、「Advocate」の部分。

いかに、SNS上でおすすめしてもらい、自然発生的に口コミを広げ、ブランドのファンを獲得できるか。

かつては「AIDMAの法則」というフレームワークがよく利用されていましたが、「購入」がゴールになっており、その後の友達におすすめするという行動がなく、SNS時代にそぐわないのです。

インナーブランディングとアウターブランディングは大きく異なるブランディング手法ですが、車の車輪のようなもので、どちらが欠けても十分な効果は出せません。

今回もかなり多くのフレームワークが出てきましたが、いかがでしたでしょうか?

ブランドは一朝一夕でできるものではなく、積み上げが必要ですが、まずはこのFES戦略を実践し、着実にファンを増やしていきましょう。

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