シンガポールに移住するってどんな感じ?【現地在住者が語る】
シンガポールに移住したい人「シンガポールに移住するにはどんな条件が必要で、どんなメリット・デメリットがあるのだろう?生活費はどれくらいかかるのかな?」
こんにちは、旅リーマンのZuminです。
今回はシンガポール移住について疑問を持つ方向けの記事です。
この記事を書いている僕は、妻の仕事の関係で2022年5月よりシンガポールへ移住。
これまでベトナム、フィリピン、インドネシアに続いて4カ国目の移住となる僕の実体験をもとに、シンガポールでの生活について解説していきます。
もくじ
- シンガポールのビザ
- シンガポール移住のメリット・デメリット
- シンガポールでの生活費
- 実際にシンガポールに住んでみて
- まとめ
シンガポールのビザ
シンガポールには複数のビザがありますが、ここでは一般的に就労・移住で使われているケースが多いものを紹介していきます。
- EP(Employment Pass)
- Spass
- EntrePass(Entrepreneur Pass)
- PEP(Personalized Employment Pass)
- DP(Dependant’s Pass)
EP(Employment Pass)
シンガポールに移住している外国人の多くはこのEPを取得しています。
主に専門職、経営陣、マネジメント職に対して付与され、国籍・年齢・学歴などで最低月給の基準が設定されています。
- 最低月給5,000SGD(約50万円)以上
- 金融セクターは5,500SGD(約55万円)以上
さらに扶養家族の帯同には、月6,000SGD(約60万円)以上とますますハードルが上がっています。
Spass
一方のSpassでは、比較的給与のハードルは低くなります。
- 最低月給3,000SGD(約30万円)以上
- 金融セクターは3,500SGD(約35万円)以上
ただし、シンガポール人の雇用割合に応じて1枠という形で発行されるビザなので、ローカルの従業員が複数いる企業が前提となります。
なので、設立されたばかりの法人や日本人中心の小さな企業では申請できません。
業界によって割合の上限がありますが、建設・製造業で18%まで、サービス業では10%までとここ数年で徐々に引き下げが発表されています。
EntrePass(Entrepreneur Pass)
EntrePassは起業家向けのビザで、以下のいずれかの条件を満たすことが必要になります。
- シンガポール政府認定のベンチャーキャピタルから100,000SGD(約1,000万円)の資金調達がある
- 世界IP協会に登録された知的財産を保有している
- 大企業の上級管理職や役員としての経験が最低8年間あり、シンガポールで多額の投資を予定
かなり対象者が限定されるビザとなっています。
PEP(Personalized Employment Pass)
PEPは高額収入者が申請できるビザ。
- 月額給与12,000SGD(約120万円)以上のEP取得者
- シンガポール国外在住で過去6ヶ月間の収入が18,000SGD(約180万円)
PEPは滞在期間が3年間のみに限定されており、更新不可なビザであることからあまり選択する人はいないようです。
DP(Dependant’s Pass)
DPは扶養家族ビザで、EPもしくはSpassで最低6,000SGD(約60万円)以上の給与を受け取る就労者の家族(配偶者、21歳以下の未婚の子供)が対象。
これまでは、DP保持者でも就労は可能でしたが、2021年5月からは、別途でWork Permit(就労許可証)を取得しなければ就労ができなくなりました。
シンガポール人の雇用を守るために、外国人のビザの取得は年々厳しくなっているのが現状。
今後は、圧倒的なお金を持つエリート富裕層や起業家への優遇がますます進むため、そう簡単には移住できない国のひとつになりそうです。
シンガポール移住のメリット・デメリット
それでは、日本人がシンガポールに移住するにあたって感じるメリットを僕なりに解説していきます。
メリット
- 治安とインフラ
- 英語
- 税制
治安とインフラ
シンガポールの治安の良さは世界でもトップクラス。
罰則が厳しいことから犯罪件数は少なく、めったに事件のニュースを聞くことはありません。
また地下鉄や路線バスなどの交通インフラが国中を網羅しているため、数百円あればどこにでも移動ができます。
特にベトナム、フィリピン、インドネシアで渋滞に悩まされてきた僕にとって、移動が効率的になったことで格段にストレスが減りました。
英語
シンガポールは中華系、マレー系、インド系とさまざまな人種が混在する国。
そのため、英語が公用語の1つになっており、英語ができれば生活に困ることはほとんどないです。
さらに教育水準が高く、シンガポール国立大学はアジアでもトップ3に入るレベルで、留学先としても人気です。
インターナショナルスクールや日本人学校もあるので、子育てという面でも大きなメリットがあります。
税制
シンガポールにおける法人税率は17%と、日本の30%に比べ圧倒的に低いです。
さらに「スタートアップ免税制度」で会社設立から3年は免税となるため、起業しやすい国のランキングでも常にトップランクに入ります。
それゆえに多くの起業家や富裕層が集まるため、ビジネスのネットワークを構築するにも最適な環境です。
デメリット
では、逆にシンガポール移住にあたって、つらいと感じる部分も解説していきます。
- 物価の高さ
- ビザ取得の難易度
- 厳しい法律
物価の高さ
とにかく物価、その中でも家賃の高さは異常です。
東京23区ほどの面積の限られた国土がゆえに、国民の8割は政府が提供するHDB(公団住宅)に暮らしています。
ただ、僕が移住を始める2022年は、コロナの影響でHDBの着工に遅れが出ており、コンドミニアムの賃貸を求める人が急増。
需要が高まったことで、家賃はワンルームでも最低2,000(約20万円)〜3,000SGD(約30万円)は必要になっています。
そのため多くの人がルームシェアで家賃を抑えているのが現状です。
その他の詳しい生活費の内訳は、次の項目で解説します。
ビザ取得の難易度
上記の説明した通り、コロナ以降ビザ取得の厳格化が進み、移住のハードルは上がり続けています。
政府は国民の雇用を優先、外国人の採用はあくまでシンガポール人にないスキルを「補完」できる質の良い人材の受け入れに注力する姿勢。
2024年からはEPの発給に個別のスコアで審査され、給与・学歴・企業のダイバーシティ・企業のシンガポール人雇用割合が点数化。
採用企業も簡単にはビザの発給ができないため、門戸は狭まる一方となるでしょう。
厳しい法律
シンガポールは厳しい法律や罰則があることで有名な国です。
例えば
- 22時半〜朝7時はお酒が買えない(罰金8万円以下)
- 電子タバコの持ち込み禁止(罰金最高50万円)
- チューインガムの持ち込み禁止(罰金最高1,000万円)
これらの制限に息苦しさを感じる人は、長期滞在は向かないかもしれません。
シンガポールでの生活費
では、実際にシンガポールで暮らす上でどれくらいの生活費がかかるのか?
以下、費用は僕自身の平均的な月の固定費です。
30代、夫婦2人、東海岸エリア
- 家賃(プール、ジム付きワンルームのコンドミニアム):2,200SGD(約22万円)
- 水道・光熱費:198SGD(約2万円)
- インターネット・携帯:170SGD(約17,000円)
- 交通費(Grab):300SGD(約3万円)
- 食費:1,500SGD(約15万円)
- エンターテイメント費(マッサージなど):500SGD(約5万円)
- 計:4,868SGD(約48.7万円)
夫婦2人だけとはいえ、生活コストはいままで住んだどの国より高くなっています。
これまでフィリピンとインドネシアでは、1人暮らしとはいえ10万円以下で生活費がまかなえていました。
>> フィリピンに移住するってどんな感じ?【現地駐在員が語る】
>> インドネシアに移住するってどんな感じ?【元現地駐在員が語る】
プライバシーを保ち、快適に過ごすためには家賃の出費は仕方ないとあきらめています。
ただ、食費に関しては、毎日ホーカー(屋台)にすれば3分の1くらいには抑えられるかもしれません。
選択肢が豊富で欲求には勝てず、ついついレストランでの食事が多くなってしまうのです…
さらに、2022年は円安の影響もあり、1シンガポールドルはほぼ100円に近づいているため、日本円の稼ぎが中心の人はかなり辛い状況だと思います。
アジアで1番物価が高い国という現実を身をもって体感しています。
実際にシンガポールに住んでみて
シンガポールで実際に生活し始めて感じるのは、日本と同等の暮らしができるありがたさ。
- ドン・キホーテ
- ニトリ
- サイゼリヤ
- スシロー
- シャトレーゼ
- 湯の森温泉
ここは日本かと錯覚するぐらい、日系のお店も充実しています。
特にベトナム、フィリピン、インドネシアを経験してきた僕にとって、日本に帰らずともこうしたお店にアクセスできるのはこれ以上ない喜び。
公共交通機関も快適なので、渋滞にハマって1日をつぶしてしまうこともありません。
日々の生活コストが問題ならなければ、パラダイスと言えるでしょう。
まとめ
というわけで、以下、シンガポール移住に関する僕なりのまとめです。
- インフラと治安は日本と遜色ない
- ビジネス・投資の始めやすさはアジアNo.1
- 物価が高いので、キャッシュフローが重要
日本から移住される方は、高いコストを除けばほぼストレスなく住めるはずです。
東南アジアの途上国で生活してきた僕としては、生活コストは跳ね上がったものの、無駄なストレスなくなり、この環境には感謝しています。
第三国で、外国人夫婦が生活を維持していくのは簡単なことではありませんが、個人的にはこの地で頑張りたいと感じています。
この記事が少しでもシンガポールへの転職、移住を考えている方の参考になれば幸いです。
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