【おばあちゃんでも分かる】マーケティング戦略のフレームワークとは?
起業したい人「ビジネスを軌道に乗せるのに、マーケティングの戦略が必要だけど、何をすべきか分からない。しっかりとしたマーケティング戦略の立案方法を知りたいな。」
そんな疑問を持つ方向けの記事です。
この記事を読むことで、起業する上で重要なフレームワークを利用したマーケティング戦略の立案方法が学べます。
今回は「マーケティング戦略立案」のテーマをもとに、わかりやすく解説していきます。
もくじ
- マーケティングの目的とは?
- 「3C分析」と「SWOT分析」でNEEDSを探す
- 競合と勝負をしない「STP戦略」
- 売り手目線でなく買い手目線の「4C戦略」
それでは早速、学んでいきましょう!
マーケティングの目的とは?
マーケティングと聞くと、広告であったり、どう商品やサービスをPRしていくかという戦略を思い浮かべる方が多いかと思います。
これはあくまで表面的なものであって、究極的に言えば、どんな商品であろうが「勝手に売れていく仕組み」を作り出すということが本質となります。
- マーケティング:SELLING(営業)を減らす
- ブランディング:MARKETING(販促活動)を減らす
つまり、マーケティングは、広告や営業で「売る」という作業を減らすということが目的となります。
なので、経営においてマーケティングの立ち位置は
という考え方が重要。
会社で利益が出た場合、ほとんどの部分が税金で取られてしまいますよね。
それであれば、今後資産となって再び利益を生み出してくれる、動画やブログの記事などコンテンツに投資をすべきなのです。
いい会社には循環があるという言葉がある通り、この循環で利益を増やしていくという考え方が経営にはとても重要です。
AmazonやGoogleがあれだけの売上を上げていながらも、利益や株主への分配金がないように、マーケティング費にお金をかけていくというのは、現代の起業では基本となってきます。
では、どのようにしてマーケティング戦略を立てていくべきなのでしょうか?
最高のパフォーマンスは最高の戦略から
最高の戦略を練る上で、以下の3つの要素の把握なしには、最高のパフォーマンスを生み出すことはできません。
- 環境分析(人数や属性):業界分析、戦略目標(例:人数や属性)
- 基本戦略(既存資産): STP戦略(例:どんな料理を出すか?)
- 施策(必要資産):マーケティング4P(例:どんな食材が必要か?)
例えば、みなさんがホームパーティーを開くとして、どんな人が来るのか、どんな料理を出すべきか、そのためにどんな食材が必要かということは考えますよね。
マーケティング戦略も同じで、これらの分析を行った上で、起業をすることで、最高のパフォーマンスを得ることができるようになります。
ここからは、具体的にどういった手法で戦略を立てていくべきか、フレームワークを使って分かりやすく解説していきます。
「3C分析」と「SWOT分析」でNEEDSを探す
まずは、どんなビジネスを始めるにも業界の分析を理解する必要がありますよね。
ここで使われるのが、「3C分析」というフレームワーク。
3C分析とは?
- Customer Value:顧客が何を求めているか
- Competitor:競合の強み・弱み
- Company:自社の強み・弱み
上記3つの頭文字を取って3Cと言い、自社を取り巻く環境を把握するために使われる分析方法です。
WANTSとNEEDSの違い
多くの人が、WANTSとNEEDSの違いを分からずにビジネスをしています。
- WANTS:これをしに行く
- NEEDS:必要なもの
この2つが繋がった時に顧客にとって、価値が生まれるのです。
ちょっと分かりづらいと思うので、具体的に「なぜカフェに行くのか?」という例で考えてみましょう。
WANTS | NEEDS |
仕事をしに行く | 仕事の設備(Wifi、コンセントなど) |
ご飯を食べに行く | フードクオリティ |
写真を撮りに行く | インスタ映えする施策 |
読書をしに行く | ゆったり落ち着ける空間 |
友達と話しに行く | 店内の居心地 |
このように、表にWANTSとNEEDSをそれぞれ分け、顧客の目的を理解した上で、何を求めているのかというニーズを提供していく必要があります。
顧客の価値を理解した上で、競合と自社の比較をフレームワークに落とし込んでいきましょう。
これで、自社と競合の持つNEEDSが明確化されますね。
SWOT分析でUSPを理解する
次に、「SWOT分析」を利用して、自社のUSP(Unique Selling Proposition)を理解しましょう。
USPとは、競合との差別化できる自社の強みのこと。
SWOT分析では以下の表に、ブレインストーミングで思いつくままに自由に当てはめていきましょう。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
経営には「選択と集中」という言葉がある通り、
を洗い出すという考え方が大切です。
例えば、ドミノピザが味はそこそこに、提供スピードに特化してビジネスを世界中で拡大させたという事例があります。
関連記事:ブランディング戦略【あなたのファンを育てるFES戦略とは?】
競合になく、顧客から求められているものを自社の強みとして、そこに特化していくことで勝ち残る戦略を立てやすくなります。
3C分析とSWOT分析に関しては、以下の別記事でも詳しく解説しているので、もっと深く学びたい方は併せてご覧ください。
【後編】論理的思考スキル【フレームワークで考えるサービス設計】
起業して自分のサービスを広めたいけど、どうやってサービスを設計していいのか全く分からない。市場調査はどうやったらいいの?そんな悩みを持つ方向けの記事です。今回は論理的思考スキルを使い、事実とフレームワークを利用した市場調査からサービス開発方法までたっぷりと解説します。難しいですが、画像と具体例多めでシンプルに学べます。
競合と勝負をしない「STP戦略」
では、次に顧客にとっての価値をどう高めていくべきか?
ここで使われるフレームワークが、「STP戦略」です。
STPとは?
例えば、美容室を例に考えた場合、「お客様は何を目的に行くのか?」というセグメントを区切り、ターゲットを分けます。
ターゲットはそのセグメント区分を選ぶ根拠を示すための要素にすぎません。
- Segmentation:誰がいるのか
- Targeting:誰にその価値を届けるのか
- Positioning:どうやってその人に選んでもらうか
一般的には「STP戦略」として認知されていますが、考え方の順番は「TSP」であるべき。
なぜなら、ターゲットを絞ること自体が無意味で、お金を払ってサービスを利用してくれる人がいるのであれば、80代だろうが20代だろうが男性だろうが女性だろうが関係ないからです。
Targeting
例えば、「なぜお花屋さんに行くのか?」という問いで考えてみましょう。
ターゲットは「WHAT」で捉えるのではなく、「WHY」で考えることが重要です。
- WHY:恋人や家族にサプライズでプレゼントをしたいから
- WHO:普段ありがとうと面と向かって言えない人
であれば、メッセージビデオ付きのパッケージを提供し、付加価値をつけることで顧客へのサービス価値は上がりますよね。
Segmentation
市場のセグメントも同じく「WHY」で区切ります。
例えば、髪を切るという市場で考えてみましょう。
ヘアカットという市場一つにしても、大きく2つのセグメントが分けられます。
- デート前にカットやカラーを一緒に終わらせたい → ビューティーサロン
- 髪を切るのにコストや時間をかけたくない → QBハウスなどの1000円カット
この2つの市場は、同じ髪を切るというサービスを提供しながらも、相見えないことが分かると思います。
なので、両方をごっちゃにするのではなく、区別した上で両方を考えるということ。
セグメントが大きすぎてはマーケティングがうまくいかず、小さすぎるとビジネスとして成立しないので、まずはどれくらいの市場を狙うのかということを考えていきましょう。
Positioning
ビジネスにおいて、勝負するほど最悪な勝負はありません。
例えば、ペットボトルの水で考えてみると分かりやすいです。
- 東京の渋谷の自販機が立ち並ぶ場所の1本
- サハラ砂漠で売る水1本
価格が高くなるのはどちらでしょうか?
言うまでもなく、砂漠で売るほうが高く売れますよね。
自社のポジショニングマップを作成し、どこに特化すべきかを明確化することで、そもそも競合はいない場所でビジネスをすることができるのです。
80:20 Rule
ポジショニングを取る上で、欠かせないのが「80:20の法則」。
例えば、あなたがカフェのオーナーで店内完全禁煙にしたとします。
すると、これまで来ていた80%の喫煙者のお客さんが離れていきます。
ただ、禁煙に特化したことで、これまでお店に来なかった非喫煙者のお客さんが増え、結果的に来店者数が増えて行くという法則があります。
一時的に痛みを伴いますが、トータルで見ると特化することで根強いファンができていくので、何かに特化するということは、ビジネスにおいて非常に重要な考え方なのです。
売り手目線でなく買い手目線の「4C戦略」
最後に、実際の施策を導き出す作業に移りましょう。
一般的には、「4P分析」と呼ばれるフレームワークが活用されます。
- Product:商品
- Price:価格
- Place:場所
- Promotion:広げる方法
しかし、ここで問題なのは、売り手の方が多い現代において、買い手である消費者目線での分析がなされていないという点です。
関連記事:【後編】論理的思考スキル【フレームワークで考えるサービス設計】
なので、顧客視点に立った「4C」で戦略を立てていく方が、より重要とされています。
- Cost:経費
- Convenience:便利さ
- Customer Value:顧客価値
- Communication:顧客との対話方法
Evoked Set(エボークドセット)
このEvoked Setという考え方は、消費者が商品を購入する前に検討対象として思い浮かべるブランドの組み合わせのことを言います。
具体例を挙げると、
・ビール:アサヒのスーパードライ、キリンの一番搾りなど
このように人によって異なりますが、何かを購入する際に、各々で自然と選択肢に入ってくるブランドの組み合わせのことです。
消費者は毎回同じものを購入することが多く、企業としてはいかにその習慣に入り込めるかを考えていく必要があります。
では、具体的にどう施策に落とし込んでいくべきか?
ここで重要な「3P」の考え方を紹介します。
- Persistent Business:継続的にものを購入させるビジネス
- Part Business:既存のサービスの一部分を抜き取り、特化したビジネス
- Pack Business:複雑なものをパッケージ化したビジネス
Persistent Business
Persistent Businessとは、継続的に商品を購入させるためのビジネスの仕組みを作ることです。
例えば、赤ちゃん用のオムツで有名なP&Gのパンパース。
退院後もお母さんが自然と買い続けることを意識して、病院の産婦人科などにオムツを無料で提供することで、No.1のブランドとなりました。
他にも、美容院しか買えないシャンプーや、ひげ剃りで有名なジレットの付け替えできる刃など、実は身近にも継続的に顧客を掴む仕掛けが隠されているのです。
Part Business
Part Businessとは、多様な既存のサービスの一部分を抜き取り(アンバンドル)、特化したビジネスことを言います。
例えば、銀行の海外送金というサービスを切り取り、徹底的にコストを下げたことで人気となったTransferWiseや、資産運用を自動化することで有名になったWealthNaviなどがあります。
既存のビジネス価値をバラし、1つの分野に集中することで価値を上げるというのも一つの考え方です。
関連記事:【明日から始めよう】スモールビジネス【リスクなしで始める起業とは】
Pack Business
3つ目のPack Businessは、複雑なものを一つにまとめてパック売りするというビジネスモデル。
例えば、MicrosoftのExcel、PowerPoint、WordをまとめたMicrosoft 365やAdobeのPhotoshop、Illustrator、Premiere ProをまとめたCreative Cloudなどが有名です。
パック化することで、顧客側からすれば、選ぶ手間が省けると同時にコスト的にもお得な印象を与えることができるので、得にITサービスとは相性が良いですね。
さいごに
今回は、MBAでも使われるマーケティングフレームワークを現代版にアレンジし、戦略を立てるためのスキルを学んでいきました。
これを使いこなすだけで、新規事業の計画はもちろん、社内のマーケティングにおける議論を活性化することできるようになります。
ぜひ、皆さんも真似してみてはいかがでしょうか?
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