【フィリピン株ETF】EPHEのETFでフィリピンまるごと投資!

フィリピン投資に興味がある人「フィリピンの成長にあやかりたい。だけど、個別株を買うのはハードル高そうだし、フィリピンのETF、EPHEなら投資しやすそうだな。EPHEってどんなETFなの?」
こんにちは、旅リーマンのZuminです。
今回は、そんなフィリピンETF、EPHEについて疑問を持つ方向けの記事です。
この記事を書いている僕は、現在はフィリピンに住んでおり、働きながら米国株などを中心に投資をしています。
実際にフィリピンに住み、ビジネスをしている僕ならではの視点で、EPHEのETFについて詳しく解説していきます。
もくじ
- フィリピンETFのEPHEどんなETF?
- EPHEの構成銘柄を解説
- フィリピン投資の今後
フィリピンETFのEPHEどんなETF?

EPHEは、正式名称 iシェアーズ MSCI フィリピン ETF で、世界第一位の運用資産残高を持つブラックロック社のiSharesブランドで運用されるETFです。
「フィリピンの株式全般で構成される指数と同等の投資成果を目指して運用」されており、フィリピンにまるっと投資をできるイメージです。
純資産総額 | $157,454,609(約160億円) |
取引所 | NYSE Arca |
設定日 | 2010年9月28日 |
インデックス | MSCI Philippines IMI 25-50 NET Index |
経費率 | 0.59% |
配当利回り | 0.72% |
保有銘柄数 | 39 |
発行済口数 | 4,800,000 |
構成銘柄がかなり少ない印象を持つ方も多いかもしれませんが、そもそもフィリピンの上場銘柄数は273で、財閥系企業が時価総額の大半を占めることから、妥当な数だと言えます。
気になるパフォーマンスですが、直近3ヶ月では20%を超える成績を残していますが、長期だと10年でようやく3%程度のプラス。
EPHE | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 年初来 |
トータルリターン | 6.47% | 23.29% | -3.94% | -4.91% | -0.01% | 3.57% | -3.94% |
続いて、設定来のチャートを見てみると2013年に43ドルの高値をつけた後は、ズルズルと落ちてきており、コロナショックから徐々に戻し始めているという状況です。

短期でリターンを求める投資で買う銘柄ではないので、フィリピンの未来を信じてホールドし続ける銘柄ですね。
EPHEの構成銘柄を解説

続いて、EPHEのトップ10構成銘柄を紹介していきます。
会社名 | ティッカー | 保有比率 |
SM PRIME HOLDINGS INC | SMPH | 11.47% |
AYALA LAND INC | ALI | 9.29% |
SM INVESTMENTS CORP | SM | 7.19% |
AYALA CORP | AC | 6.38% |
JG SUMMIT HOLDINGS INC | JGS | 5.52% |
BDO UNIBANK INC | BDO | 4.98% |
BANK OF THE PHILIPPINE ISLANDS | BPI | 4.41% |
INTERNATIONAL CONTAINER TERMINAL SERVICE INC | ICT | 4.22% |
PLDT INC | TEL | 3.86% |
UNIVERSAL ROBINA CORP | URC | 3.25% |
組み入れ銘柄ですが、フィリピンに住んでいる人なら、誰もが利用したことがあるような会社ばかりです。
SM Prime Holdings

組み入れ1位のSM Primeですが、フィリピン最大のショッピングモールを展開する3位のSM Investmentのホールディング会社です。
さらに、6位のフィリピン最大の銀行であるBDO UnibankもSM Investment傘下になります。
SMグループは元々は「Shoe Mart」の略で、中華系フィリピン人のヘンリー・シー氏によって靴屋としてスタート、現在はフィリピン最大のコングロマリットに成長しました。
モールを展開するSM Investmentsの売上は約7,800億円、BDO Unibank単体で3,000億円を売り上げています。
その他にも、フィリピン第6位の銀行であるChinabankやコンドミニアムを建築・販売するSMDCなど小売・銀行・不動産とフィリピンの生活に欠かせないインフラを押さえています。
Ayala Corp

続いて、組み入れ4位のAyala Corpは、2位のAyala Landのホールディング会社。
Ayalaグループは、スペイン系のアントニオ・アヤラ氏によって不動産からスタートしたコングロマリットです。
高級コンドミニアムを販売するAyala Landを筆頭に、第7位に組み入れられているフィリピン第4の銀行BPI、通信事業を行うGlobe Telecom、水道会社のManila Waterなど生活のインフラまで押さえています。
売上規模は、グループ全体で26兆円を誇り、フィリピンという国自体を掌握する会社。
実際に、マニラ首都圏のマカティ市の都市開発はAyalaに任されているほど、名実ともにフィリピンを掌握する規模の会社となっています。
JG Summit Holdings

第5位のJG Summitは、フィリピンの航空会社Cebu Pacificを中心に運輸業などを展開するフィリピン最大級のコングロマリットの1つ。
こちらも中華系フィリピン人のジョン・ゴコンウェイ氏によって創業され、Robinsons LandというSMに次ぐショッピングモールなどの不動産業や第10位の食品製造業Universal Robinaなどを傘下に抱えています。
さらに、組み入れ第9位の通信業PLDT、マニラに電力を提供するMeralcoの大株主でもあり、こちらもフィリピン人の生活インフラを360度確保しています。
グループ全体の売上は30兆円を超え、2010年にはフィリピン上場企業で最も利益を出した企業とも言われています。
ご覧の通り、フィリピンの経済というのは一部の財閥企業によって、ほとんどの業種が独占されている市場というのが、EPHEの保有銘柄を通してお分かりいただけたかと思います。
実際に、フィリピンの株式市場の時価総額の50%以上はこれらの巨大コングロマリットによって占められているのが現状です。
逆に言えば、これらの安定した財閥だけに投資をしておけば、フィリピンの経済成長は取り込めるということにもなるので、EPHEはいい投資方法かもしれません。
フィリピン投資の今後

最後にフィリピン投資の未来についてですが、基本的には明るい将来があると思っています。
理由としては、以下の3点があると考えており、実際に僕は3年以上マニラに住んでいますが、長期的に伸びしろしかないと思っています。
- 世界最長の人口ボーナス
- 急ピッチで進むインフラの整備
- 高い信用格付け
一方で現状、フィリピン市場はまだまだ小さいので、EPHEのような市場をまるっと押さえられるETFからの投資で十分かなと思います。
ただ、フィリピンペソ建てで分散の意味も含め、個別株投資での投資も興味があるという方は、1株あたり数十円〜数千円でスタートできるので検討してみてもいいかと思います。
※ただし、株価で単元株数の設定あり。
フィリピン投資についてもっと詳しく知りたい方は、以下の別記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
フィリピン株について学ぼう!【現役フィリピン駐在員が教える】
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さいごに
ということで、今回はフィリピンのETFであるEPHEに関して解説しました。
東南アジアは、VIP(ベトナム・インドネシア・フィリピン)と呼ばれる3カ国の人口ボーナスが続き、GDP成長率もグングン伸びていることから注目されています。
僕は、仕事でVIPの3カ国全てに赴任経験があり、実際の成長のエネルギーを肌で感じており、特にフィリピンには大きな伸びしろを感じています。
ただ、すぐにパフォーマンスが出る投資ではないので、あくまで長期目線でETFなどを活用して少しずつ投資をしていきたいなと考えています。
ちなみに、EPHEを取り扱っている証券会社は以下の通りです。
証券会社 | Firstrade証券 | 楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | IG証券 |
EPHE | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
日本円からEPHEへ投資したい場合は、マネックス証券、楽天証券などのメジャー証券か、CFD口座なら外資系のIG証券で購入が可能です。
また、ドルベースの海外口座で投資をしたいという方は、日本人でも口座開設可能なネット証券Firstradeをおすすめします。
Firstradeのおすすめポイント
- 取引手数料無料
- 口座維持手数料なし
- アメリカ上場の株・ETFに制限なくアクセス可能
Firstradeであれば、EPHEはもちろん、米国に上場する新興国ETFはすべて手数料無料で手に入るので、投資の幅を広げる意味で口座を持っておくのもいいかもしれません。
詳しい口座の開設方法などは、このブログでも画像付きで解説しているので参考にしてみてください。
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ちなみにベトナムとインドネシアに関しても、実際に住んでいた視点での大局観、ETFの解説をしているので、興味がある方はぜひご覧ください。
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この記事が、みなさんのお役に立てば幸いです。
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