【高配当ETF】配当利回り10%超えのRYLDってどんなETF?

RYLDについて知りたい人「高配当ETFのQYLDは聞いたことがあるけど、RYLDってどんなETFなの?そもそもカバードコールってどういうこと?」
こんにちは、旅リーマンのZuminです。
そんな疑問を持つ方向けの記事です。
以前、QYLDという超高配当ETFを紹介しました。
【配当利回り11%】超高配当で話題のQYLDってどんなETF?
「高配当のQYLDというETFが注目されているらしいけど、どんなETFなの?カバード・コールって何?」そんな疑問を持つ方向けの記事です。超高配当ETFとして、FIREを目指す投資家の間でも話題を呼んでいます。ただ、普通の高配当ETFとは違い、ちょっとクセのある運用をされているので、仕組みをわかりやすく解説していきます。
今回は配当利回りだけで言えば、QYLDに劣らないパフォーマンスを出しているRYLDについて解説していきます。
もくじ
- RYLDってどんなETF?
- RYLDの構成銘柄とリターン
- RYLDの購入方法とは?
RYLDってどんなETF?

RYLDは、正式名称 Global X Russell 2000 Covered Call ETF で、米国に上場する企業の時価総額上位1001〜3000位で構成されるRussell2000指数にカバード・コールという戦略を用いて運用されているETFとなります。
純資産総額 | $436 Million(約485億円) |
取引所 | CBOE |
設定日 | 2019年4月17日 |
インデックス | Cboe Russell 2000 BuyWrite Index |
経費率 | 0.60% |
配当利回り | 12.34% |
保有銘柄数 | 2 |
いわゆる中型〜小型株と呼ばれる銘柄に対して、カバード・コール運用をするという特殊なETFで、運用会社はグローバルX、尖ったテーマ型ETFを提供することでおなじみの会社ですね。
【テーマ型ETFで注目!】グローバルXってどんな会社?【米国株投資】
「グローバルXという会社のETFのパフォーマンスが良いらしい。一体どんな会社で、どんなETFを出しているんだろう?日本からも買うことはできるのか知りたいな。」そんな疑問を持つ方に向けた記事です。「インデックス投資だけじゃつまらない、もっと攻めた運用をしたい!」という方必見です!
経費率は0.60%とちょっと高めですが、RYLDの魅力はなんと言っても12.34%と高い配当利回り!
NASDAQ100にカバード・コールをするQYLDの次に利回りの高いETFとなります。
とはいえ、そもそも「カバード・コールって何?」という方も多いと思うので、ざっくりとRYLDの仕組みを説明します。
RYLDの仕組み
RYLDに使われているカバード・コールという手法ですが、原資産となる株式を保有しつつ、コールオプションを売ることを言います。

例えば、AさんがXという会社の株を100ドルの株価で保有しているとします。
ただ、30日以内に105ドル以上には上がらないだろうと予想し、株価がいくらであれ105ドルでX社の株を売るコールオプションを発行。
一方で、BさんはX社の株価が30日以内に105ドル以上に上がると考えており、3ドルのオプションプレミアム(権利料)を支払いAさんからコールオプションの権利を購入。
30日の満期日 | Aさん(X社の値上がりリスクを犠牲に、安定収入) | Bさん(X社の株は青天井で伸びると考えており、安く買いたい) |
X社の株価が$105以上 | 105ドルで原資産の株をBさんに売る代わりに、$3のプレミアムを受け取る | X社の株価が$105以上になったとしても、$105で株を購入できる |
X社の株価が$105ちょうど | Bさんが権利行使を行うか否かにかかわらず、$3のプレミアムを受け取ることができる | AさんからX社の株を買おうか迷っている(買っても利益は出ない) |
X社の株価が$105以下 | X社の株をそのまま保有しつつ、$3のプレミアムを受け取ることができる | 市場価格以下の$105でわざわざ株を買う理由はないので、権利放棄 |
つまり、グローバルX社のカバード・コールETFはこの仕組みを利用して、Russell 2000銘柄の株価の上昇を犠牲にする代わりに、対価として受け取ったプレミアムを配当金に回しているということになります。
なので、RYLDは規格外の高配当を受け取れる一方で、キャピタルゲインは望みづらいという特徴を持つETFということになりますね。
RYLDの構成銘柄とリターン

RYLDの構成銘柄は以下の通りです。
比率 | ティッカー | 銘柄名 | 保有株数 |
101.38% | VTWO | Vanguard Russell 2000 ETF | 5,008,983 |
0.15% | – | Cash | 669,999 |
実は、RYLDは2000社すべての個別株を投資しているわけではなく、バンガード社のVTWOというRussell 2000連動のETFを大量に保有することでエクスポージャーを提供しています。
この点は、NASDAQ100のQYLDやS&P500のXYLDとは、違う運用方法ですね。
RYLDのパフォーマンス
それでは、RYLDのリアルタイムチャートとトータルリターンをチェックしていきましょう。
コロナショックのダメージからじわじわと右肩上がり、そこからヨコヨコが続いていて、思ったより値動きの安定感はありそうですね。
さらにわかりやすくするために、Russell 2000を代表するETFのVTWO(青)と比較してみましょう。

VTWOは順調に駆け上がっていく中、RYLDはジワジワと成長し、なんとかプラス成長しています。
トータルリターンは1年で35%、設定来では11%ほどとなっています。
設定日から歴史が浅く、コロナショックから反動があったためこの1年はパフォーマンスが良く見えますが、設定来で見るとほぼリターンは配当金から出ているということが推測できますね。
RYLD | 1年 | 設定来 |
トータルリターン | 35.79% | 11.46% |
RYLDの配当金実績
それでは、気になるRYLDの過去の配当金実績もチェックしておきましょう。

RYLDは設定された2019年から継続的に配当金を出しており、過去2年は増配していますね。
年 | 年間配当金(1株当たり) | 年末時利回り | 対前年比 |
2020 | $2.4308 | 11.78% | 48.20% |
2019 | $1.6402 | 7.91% | – |
ちなみに2021年9月現在の配当金履歴は、以下の通りです。
配当金(1株当たり) | 権利落ち日 | 割当日 | 支払日 |
0.1659 – 0.2283 *予想値 | 2021/12/30 | 2021/12/31 | 2022/1/7 |
0.2218 – 0.2508 *予想値 | 2021/11/22 | 2021/11/23 | 2021/12/1 |
0.1677 – 0.2137 *予想値 | 2021/10/18 | 2021/10/19 | 2021/10/26 |
0.2519 | 2021/9/20 | 2021/9/21 | 2021/9/28 |
0.2510 | 2021/8/23 | 2021/8/24 | 2021/8/31 |
0.2458 | 2021/7/19 | 2021/7/20 | 2021/7/27 |
0.2475 | 2021/6/21 | 2021/6/22 | 2021/6/29 |
0.2484 | 2021/5/24 | 2021/5/25 | 2021/6/2 |
0.2493 | 2021/4/19 | 2021/4/20 | 2021/4/27 |
0.2446 | 2021/3/22 | 2021/3/23 | 2021/3/30 |
0.2401 | 2021/2/22 | 2021/2/23 | 2021/3/2 |
0.2272 | 2021/1/19 | 2021/1/20 | 2021/1/27 |
配当金のスケジュールはQYLDやXYLDと一緒で、だいたい毎月第3金曜日に発表、最終火曜日をめどに支払いが行われるというスケジュールのようですね。
2021年は9月までに2.4542ドルを分配しており、すでに2020年よりも増配となっています。
RYLDの購入方法とは?

RYLDの購入方法ですが、日本の3大メジャー証券では取り扱いがありませんでした。
Firstrade証券 | 楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | IG証券 | |
RYLD | ○ | × | × | × | ○ |
日本語で利用できる証券会社であれば、外資系のIG証券に取り扱いがありました。
CFD口座となりますが、なかなか日本のメジャー証券では買えない株やETFの取り扱いも豊富なので、RYLDを購入したいという方は口座開設を検討してみてください。
RYLDで得られる配当金を再投資して、複利の力で資産を大きくしたいという方は、日本人でも利用可能なアメリカのネット証券のFirstradeの口座開設もおすすめです。
Firstradeであれば、DRIPという配当金の自動再投資という便利なシステムがあり、税引き後の配当を再投資、1株に満たない端株でも買えるのでムダなく資金活用できます。
このブログでも、口座開設から入金方法、DRIPの設定方法まで詳しく解説しているので、参考にしてみてくださいね!
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さいごに
ということで、今回はQYLDに並ぶ超高配当ETFのRYLDについて紹介してきました。
すでに資産がある程度貯まっていて、配当金生活を目指しているという人には面白い選択肢の1つとなりそうですね。
一方で、まだまだ資産を拡大していきたいというフェーズの人には、キャピタルゲインが望めないため、魅力は半減するETFだと思います。
キャッシュフローの改善を前提に考えている方は、ポートフォリオの一部に組み込んでみてはいかがでしょうか?
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