【高配当ETF】グローバルXのXYLDってどんなETF?

XYLDについて知りたい人「高配当のXYLDというETFがあるらしいけど、どんなETFなんだろう?そもそもカバード・コールって何?」
こんにちは、旅リーマンのZuminです。
以前にNASDAQ100に対してカバードコールで運用する高配当ETFのQYLDを紹介しました。
【配当利回り11%】超高配当で話題のQYLDってどんなETF?
「高配当のQYLDというETFが注目されているらしいけど、どんなETFなの?カバード・コールって何?」そんな疑問を持つ方向けの記事です。超高配当ETFとして、FIREを目指す投資家の間でも話題を呼んでいます。ただ、普通の高配当ETFとは違い、ちょっとクセのある運用をされているので、仕組みをわかりやすく解説していきます。
実は、グローバルXでカバード・コールで運用するETFは、QYLDだけではありません。
ということで、今回はS&P500に同様の戦略を活用して、高配当を得ることのできるXYLDについて解説していきます。
もくじ
- XYLDってどんなETF?
- XYLDの構成銘柄とリターン
- XYLDの購入方法とは?
XYLDってどんなETF?

XYLDは、正式名称 Global X S&P 500 Covered Call ETF で、選りすぐりの米国銘柄が並び、安定的に成長をするS&P500指数にカバード・コールという戦略を用いて運用されているETFとなります。
純資産総額 | $1.62 Billion(約2,117億円) |
取引所 | NYSE Arca |
設定日 | 2013年6月21日 |
インデックス | Cboe S&P 500 BuyWrite Index |
経費率 | 0.60% |
配当利回り | 12.06% |
保有銘柄数 | 505 |
運用会社はグローバルX、尖ったテーマ型ETFを提供することでおなじみの会社です。
【テーマ型ETFで注目!】グローバルXってどんな会社?【米国株投資】
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経費率は0.60%とちょっと高めですが、12.06%と高い配当利回りがウリのETFです。
NASDAQ100にカバード・コールをするQYLDほどではありませんが、米国ETFの中でも14番目に高配当のETFとなります。
とはいえ、そもそも「カバード・コールって何?」という方も多いと思うので、ざっくりとXYLDの仕組みを説明します。
カバード・コールって何?
XYLDに使われているカバード・コールという手法ですが、原資産となる株式を保有しつつ、コールオプションを売ることを言います。

例えば、AさんがXという会社の株を100ドルの株価で保有しているとします。
ただ、30日以内に105ドル以上には上がらないだろうと予想し、コールオプションを発行。
一方で、BさんはX社の株価が30日以内に105ドルまで上がると考えており、3ドルのオプションプレミアム(権利料)を支払いAさんからコールオプションの権利を購入。
30日の満期日 | Aさん(X社の値上がりリスクを犠牲に、安定収入) | Bさん(X社の株は青天井で伸びると考えており、安く買いたい) |
X社の株価が$105以上 | 105ドルで原資産の株をBさんに売る代わりに、$3のプレミアムを受け取る | X社の株価が$105以上になったとしても、$105で株を購入できる |
X社の株価が$105ちょうど | Bさんが権利を行使を行うか否かにかかわらず、$3のプレミアムを受け取ることができる | AさんからX社の株を買おうか迷っている(買っても利益は出ない) |
X社の株価が$105以下 | X社の株をそのまま保有しつつ、$3のプレミアムを受け取ることができる | 市場価格以下の$105でわざわざ株を買う理由はないので、権利放棄 |
つまり、グローバルX社のカバード・コールETFはこの仕組みを利用して、S&P500銘柄の順調な株価の上昇を犠牲にし、その対価として受け取ったプレミアムを配当金に回しているということになります。
なので、XYLDは規格外の高配当を受け取れる一方で、キャピタルゲインは望みづらいという特徴を持つETFということになりますね。
XYLDの構成銘柄とリターン

XYLDのトップ10構成銘柄は以下の通りです。
比率 | ティッカー | 会社名 | 保有株数 |
7.16% | AAPL | Apple Inc | 775,413 |
6.29% | MSFT | Microsoft Corp | 375,101 |
3.37% | AMZN | Amazon.com Inc | 21,952 |
2.17% | GOOGL | Alphabet Inc, Class A | 15,106 |
2.00% | GOOG | Alphabet Inc, Class C | 13,870 |
1.99% | TSLA | Tesla Inc | 42,088 |
1.77% | BRK/B | Berkshire Hathaway Inc, Class B | 92,153 |
1.51% | NVDA | Nvidia Corp | 126,154 |
1.44% | JNJ | Johnson & Johnson | 132,674 |
1.43% | UNH | Unitedhealth Group Inc | 47,489 |
トップ10銘柄はQYLDとほとんど変わりませんが、XYLDはS&P500ベースなのでより幅広い業種が入ってきます。
順調に成長している銘柄ばかりですが、XYLDではこれらの銘柄から得られる値上がり益をあきらめる代わりに高配当を受け取るという形になりますね。
XYLDのパフォーマンス
それでは、QYLDのリアルタイムチャートとトータルリターンをチェックしていきましょう。
やはり値上がりをあきらめる分、一度暴落があると低空飛行が続くように見えますね。
さらにわかりやすくするために、S&P500を代表するETFのSPY(水色)と比較してみましょう。

グングンと駆け上がっていくSPYに対して、マイナス成長のXYLDはかなり苦しんでいます。
トータルリターンは市場環境の悪化もあって1年でマイナス、設定来では6%とプラスを維持しています。
ただ、値上がりを犠牲にしている分、リターンのほとんどが配当金から出ているということが想像できますね。
XYLD | 1年 | 3年 | 5年 | 設定来 |
トータルリターン | -7.89% | 5.86% | 5.82% | 6.71% |
XYLDの配当金実績
それでは、気になるXYLDの過去の配当金実績もチェックしておきましょう。

XYLDは設定された2013年から継続的に配当金を出していますが、ばらつきがあり、年によっては減配もあれば、大幅な増配をすることもあります。
年 | 年間配当金(1株当たり) | 年末時利回り | 対前年比 |
2021 | $4.5835 | 9.54% | 39.33% |
2020 | $3.2897 | 7.61% | 18.00% |
2019 | $2.7879 | 6.36% | -11.62% |
2018 | $3.1545 | 8.71% | 21.16% |
2017 | $2.6036 | 6.75% | 76.90% |
2016 | $1.4718 | 4.45% | -27.70% |
2015 | $2.0356 | 6.62% | 7.51% |
2014 | $1.8933 | 6.19% | 72.32% |
2013 | $1.0987 | 3.87% | – |
増配の年は7〜77%、減配の年は-11〜27%とかなり振り幅の大きいETFだということがわかりますね。
これまでの法則を見ると、S&P500がマイナス成長だった年の次の年にXYLDは減配というジンクスがあるようです。

ちなみに2022年6月現在の配当金履歴は、以下の通りです。
配当金(1株当たり) | 権利落ち日 | 割当日 | 支払日 |
0.2557 – 0.4577 *予想値 | 2022/12/29 | 2022/12/30 | 2023/1/9 |
0.2506 – 0.4493 *予想値 | 2022/11/21 | 2022/11/22 | 2022/11/30 |
0.2452 – 0.4523 *予想値 | 2022/10/24 | 2022/10/25 | 2022/11/1 |
0.2435 – 0.4449 *予想値 | 2022/9/19 | 2022/9/20 | 2022/9/27 |
0.2416 – 0.3920 *予想値 | 2022/8/22 | 2022/8/23 | 2021/8/30 |
0.2177 – 0.3365 *予想値 | 2022/7/18 | 2022/7/19 | 2021/7/26 |
0.2094 – 0.3865 *予想値 | 2022/6/21 | 2022/6/22 | 2022/6/29 |
0.4411 | 2022/5/23 | 2022/5/24 | 2022/6/1 |
0.4947 | 2022/4/18 | 2022/4/19 | 2022/4/26 |
0.5014 | 2022/3/21 | 2022/3/22 | 2022/3/29 |
0.4835 | 2022/2/22 | 2022/2/23 | 2022/3/2 |
0.4808 | 2022/1/24 | 2022/1/25 | 2022/2/1 |
XYLDは毎月配当があり、だいたい毎月第4週に発表、月末をめどに支払いが行われるというスケジュールのようですね。
XYLDの購入方法とは?

XYLDは以下の証券会社で購入可能となっています。
Firstrade証券 | 楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | IG証券 | |
XYLD | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
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さいごに
ということで、今回は超高配当のXYLDというETFを紹介してきました。
すでに資産がある程度貯まっていて、配当金生活を目指しているという人には面白い選択肢の1つとなりそうですね。
一方で、まだまだ資産を拡大していきたいというフェーズの人には、キャピタルゲインが望めないため、魅力は半減するETFだと思います。
キャッシュフローの改善を前提に考えている方は、ポートフォリオの一部に組み込んでみてもいいかもしれませんね。
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