【GDP急成長中!】VNMのETFでベトナム株投資を考える!
ベトナムに投資したい人「東南アジアの中でも、ベトナムの成長がすごい!ベトナム株投資に興味があってVNMというETFを知ったけど、どんな銘柄で、どこの証券会社で買えるの?」
こんにちは、旅リーマンのZuminです。
今回は、そんな疑問を持つ方向けの記事です。
この記事を書いている僕は、2015年にベトナムのハノイに駐在していた経験があり、現在はシンガポールに住みながら米国株を中心に投資をしています。
実際にベトナムに住み、ビジネスをしていた僕ならではの視点で、ベトナムという国や株式投資について解説していきます。
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もくじ
- ベトナムってどんな市場?
- ベトナム株ETFのVNMとは?
- ベトナム投資の今後
ベトナムってどんな市場?
みなさんは、ベトナムと聞くとどんなイメージを持つでしょうか?
「フォー、生春巻き、アオザイ、大量のバイク」が一般的なイメージだと思います。
ただ、ここ数年は東南アジアでも屈指のGDP成長率を誇っており、経済的にも大きな国になりつつあります。
人口は約9,734万人(2020年)で、東南アジアではインドネシア、フィリピンに次ぐ3位の人口を抱え、2030年には1億人を超えると推定されています。
さらに、中長期でその国の経済動向を見る上で欠かせない人口ピラミッドを見てみると、15~64歳の労働年齢人口が68%を占める人口ボーナスが2040年まで続くと予測されています。
GDP成長率は2020年のコロナ渦でも+2.8%を記録、2022年は+8.83%と過去最高の成長率に増加、東南アジア地域でも最高値になると予想されています。
2022 年にベトナムの GDP は 8.83% 増加し、過去10 年間で最高の増加率
総合統計局によると、2022 年最初の 9ヶ月間のベトナムの GDP は、昨年の同期間に比べて 8.83% 増加しました。この数値は、2011 年から 2022 年までの間で最大の増加です。
インドネシア、フィリピン同様に長期にわたる国の経済成長のための材料は揃っていると言えますね。
>>【熱いマーケット】EIDOのETFでインドネシア株にまるっと投資!
>>【フィリピン株ETF】EPHEのETFでフィリピンまるごと投資!
ベトナム市場の特徴
ベトナム市場の特徴は、大きく分けて以下の3点になるかと思います。
- 社会主義国家
- ハノイとホーチミン
- 世界の生産拠点
社会主義国家
ベトナムは世界でも数少ない社会主義国家体制を取っています。
それゆえ、共産党一党独裁のため政治の批判はタブーで、政治、警察の力が日本よりも強いというリスクがあります。
経済面では、1986年に提唱された「ドイモイ政策」により、他国のように自由主義経済を取り入れ、一部制限付きで個人の財産を認める形になっています。
それに伴って、民間企業も起業ができるようになり、外資企業の参入も許可され、現在では多くの外資系企業が参入しています。
ハノイとホーチミン
ひとくちにベトナムと言っても、北のハノイ、南のホーチミンでは異なるカルチャーを持っています。
- ハノイ:政治と文化の中心
- ホーチミン:経済の中心
それゆえに、多くの企業が両都市にオフィスを構えるケースも多いです。
なぜかというと、よく駐在員の間で話されるのは、
実際に僕がこれまで働いていた2つのIT系の会社では、両都市にオフィスを構えていました。
役割としてはハノイ本社は管理・オペレーション中心、より大きなマーケットであるホーチミンに支社を立て営業活動をするという体制を取っていました。
また、ハノイには優秀なエンジニアを輩出することで有名なハノイ工科大学があるため、オフショアのIT企業はハノイを本拠地にすることが多いです。
世界の生産拠点
ベトナムは安価で優れた労働力があるため、日系企業を含む、多くの外資系企業が生産拠点を設けています。
最近では、中国リスクを懸念した企業の移転先の筆頭株として、ベトナムが挙げられるほどになりました。
直近では、AppleのiPadやMacbookの生産を一部を中国からベトナムへ移すという計画が報道されたばかりです。
鴻海、アップル製品一部生産を中国からベトナムに移管へ=関係筋
台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)が米アップルの要請を受け、「iPad」やラップトップパソコン「MacBook」の生産の一部を中国からベトナムに移管する計画だと、関係筋が明らかにした。
その他にも、韓国のSamsungがベトナムに2ヶ所の巨大工場を持っていたり、難易度の高い製造業も増えており、これからもこの流れは加速すると考えられます。
ベトナム株ETFのVNMとは?
ベトナムに投資する上で考えておきたいのが、VNMを利用した株式投資。
VNMは、正式名称 VanEck Vectors Vietnam ETFで、ベンチマークとなるMVIS Vietnam Indexにできるだけ連動するように運用を目指すETFとされています。
純資産総額 | $403 Million(約551億円) |
取引所 | CBOE |
設定日 | 2009年8月11日 |
インデックス | MVIS Vietnam Index |
経費率 | 0.59% |
配当利回り | 1.41% |
保有銘柄数 | 59 |
平均取引ボリューム | 623,052 |
純資産額は$400M(約550億程度)なので、そこまで大きなETFではありません。
ただ、ベトナムに投資ができるETFの中では一番歴史が長く、流動性も安定しているといえます。
経費率は0.59%と結構高めの設定ですが、新興国ETFなので仕方なしというところでしょうか。
ちなみに、運用会社のVanEck(ヴァン・エック)社は、インド、ブラジル、アフリカなど新興国のETFを数多く取り揃えており、運用額もトップ7に入るほど大きい会社なので安心できますね。
VNMのパフォーマンス
肝心のVNMのパフォーマンスですが、ここ1年のダメージは大きいですね。
VNM | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 |
トータルリターン | 7.67% | -18.87% | -40.13% | -7.87% | -5.49% | -0.60% | -3.69% |
設定来でもマイナスになっており、まだまだこれからなETFという感じです。
セクター比率は、不動産が25%とダントツで高く、続いて生活必需品が19%、一般消費財が13%と続いており、今のベトナム経済をよく表していると思います。
なぜ、このセクター比率がベトナム経済を表しているのか、もう少し深掘りしてみていきましょう。
VNMのトップ10組み入れ銘柄を紹介!
比率 | 会社名 | ティッカー | 保有株数 |
8.31% | Vinhomes JSC | VHM | 13,850,767 |
8.29% | Masan Group Corp | MSN | 7,360,376 |
8.20% | Vingroup JSC | VIC | 10,711,449 |
7.43% | Vietnam Dairy Products JSC | VNM | 8,161,541 |
6.06% | Feng Tay Enterprise Co Ltd | 9910 | 3,676,000 |
5.30% | Eclat Textile Co Ltd | 1476 TT | 1,306,160 |
5.04% | Bank For Foreign Trade Of Vietnam JSC | VCB | 5,646,245 |
4.33% | Mani Inc | 7730 JP | 974,900 |
4.09% | Hoa Phat Group JSC | HPG | 20,128,897 |
3.66% | Vincom Retail JSC | VRE | 10,840,622 |
台湾企業が2社、日本企業も1社入っていますが、ベトナム市場で重要/優勢な地位にある企業ということなので組み入れがされているようです。
社名を見てもピンとこない方が多いかもしれませんが、ベトナム経済を知る上で重要な企業をいくつかピックアップしていきます。
Vingroup JSC
まず、保有比率3位のVinGroupですが、ハノイを拠点とし、不動産開発を中心に展開するベトナム最大のコングロマリットです。
実は、このETFの1位、10位に組み入れられている2社もVingroup傘下の企業。
- VinHomes JSC:住宅地や都市開発を展開
- Vincom Retail JSC:スーパーやコンビニなどの小売店を展開
それ以外にも、最近ではVinFastという国産車を製造したり、スマホ製造、農業と挙げたらキリがないくらいにベトナムの経済界を牛耳る存在です。
ちなみに僕は、ハノイ赴任時にVinhomesが開発したTimes Cityという場所に住んでいました。
この敷地内には幼稚園、学校、病院、スーパー、コンビニなどが揃っており、全てをVingroupが開発・運営していると聞き、衝撃を受けた記憶があります。
ここから分かる通り、Vingroupは単なる不動産会社ではなく、街を1つを作ってしまうほどの力がある超超重要企業なのです。
Vietnam Dairy Products JSC
Vietnam Dairy Productsは、Vinamilkというブランドで牛乳や乳製品を製造・販売するメーカー。
ベトナムのスーパーに行けば、必ずと言っていいほど目に入るVinamilk。
僕もベトナム在住時は、ここのヨーグルトをよく買っていました。
近隣諸国のフィリピン、タイ、マレーシアあたりにも積極的に進出しており、2017年には、カンボジアの「Angkormilk」の買収もしています。
ベトナム国内に止まらない乳業ビジネスで、さらなる横展開が期待できる注目企業です。
Bank For Foreign Trade Of Vietnam JSC
Bank For Foreign Trade Of Vietnamは、通称:Vietcombank(ベトコムバンク)で、ハノイに本拠を置くベトナム国営の商業銀行。
外国貿易に関する機能を民間に引き継ぐ目的で設立され、2009年に上場しましたが、いまだにベトナム政府(中央銀行)が大株主の国営企業となっています。
ベトナム政府が80%近くの株を保有し、日本のみずほ銀行も17%近く株を保有しているため、経営の安定性はバッチリです。
ちなみに、1日の外貨取引がベトナムの銀行の中で最大であるため、海外への送金に強みを持っています。
ベトナム市場を押さえるには、Vingroupを押さえておくのが1つのポイントだと思うので、これらの企業に投資ができるVNMは貴重なETFといえるでしょう。
ベトナム投資の今後
僕の個人的な意見にはなりますが、今後ベトナムは世界から大きく注目されるマーケットになると思っています。
コロナによって世界中のGDP成長率が軒並みマイナスになった中でも、プラス成長を続けたことで、ベトナム経済の底堅さを見せています。
僕も実際に駐在員としてハノイに住んでいましたが、新しいビルやインフラの建設が始まり、日々景観が変わっていく様を見て、成長のエネルギーを肌で感じました。
また、今後も世界的に伸び続けていくであろうテクノロジーの分野でも、優秀なエンジニアをたくさん抱えていることは大きなポイントになると思います。
かつての同僚たちが次々に独立し、自分でエンジニアを雇い経営している野心的な知り合いが多く、将来が楽しみなマーケットの一つと捉えています。
さいごに
ということで、今回は東南アジアの成長著しいマーケットであるベトナムへの投資について解説していきました。
最近では、人気投資系YouTuberの高橋ダンさんもVNMを紹介しており、日本人投資家からの注目も集まっています。
VNMのトップ10銘柄に海外企業が入ってきているように、まだまだ国内市場としては小さく、VNM自体も出来高が少ないというリスクはあります。
ただ、個人的には人生初めての海外赴任地であり、ハノイ、ホーチミンのエネルギーを実際に肌で感じ、成長を確信しているので超長期目線でVNMに投資していこうと考えています。
ちなみに、VNMを取り扱っている証券会社は以下の通りです。
証券会社 | Firstrade証券 | 楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | IG証券 |
VNM | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
日本でVNMを投資したい場合は、マネックス証券、楽天証券のいずれか、CFD口座なら外資系のIG証券で購入が可能です。
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また、海外口座を持ってドルベースでVNMに投資をしたいという方は、日本人でも口座開設可能なアメリカのネット証券のFirstradeをおすすめします。
Firstradeのおすすめポイント
- アメリカ上場の株・ETFに制限なく投資可能
- 取引手数料無料
- 口座維持手数料なし
Firstradeであれば、VNMはもちろん、米国に上場する新興国ETFはすべて手数料無料で手に入るので、投資の幅を広げる意味で口座を持っておくのもいいかもしれません。
詳しい口座の開設方法などは、このブログでも画像付きで解説しているので参考にしてみてください。
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