【リターンはそのままに!】ETFポートフォリオのコスト削減計画!
ETFのコストを下げたい人「ETFの株価が上がり続けていて、投資しづらくなってきたなぁ。かといって、投資を止めるわけにもいかないしなぁ。全体のコストを下げつつ、同じようなリターンを得られるETFはないのだろうか?」
こんにちは、旅リーマンのZuminです。
今回は、そんな悩みを持つ方向けの記事です。
この記事を書いている僕は、インデックスETFをコアに米国株投資をしています。
相場が荒れ始め、若干キャッシュを多めにしている状況ですが、これを機にポートフォリオの全体コストを見直そうと考え始めています。
というわけで、今回はリターンを維持しながらも、1株あたりの株価と経費率を極限までに下げるアイデアをシェアしていきます。
日本人でも口座開設可能な海外証券会社なら
もくじ
- 人気のETF、だけど….
- コストをさらに下げるETF代替案
- 各代替ETFの買い方とは?
人気のETF、だけど….
世界的な運用額を見ても、各カテゴリーにおいて以下のETFが人気です。
- S&P500:VOO
- NASDAQ100:QQQ
- 全米マーケット:VTI
- 高配当ETF:VYM
- 優先株ETF:PFF
- 金ETF:GLD
日本人の間でも各証券会社の人気ランキング上位に入ってくるほど、これらのETFに投資している人は多く、僕も実際に全銘柄投資しています。
ETFの経費率は年々下がる傾向にあり、3大ブランドのブラックロック、バンガード、ステート・ストリートの間で熾烈な値下げ合戦が続いています。
我々のような、個人投資家にとっては非常にありがたい話ですね。
ただ、少額で積み立てている投資家にとって、株価は順調に上がり続けるがあまり、同じ投資額でも買える株数が減っており悲喜こもごも。
もし、これらのETFと同じリターンをキープしつつも、1株当たりの株価や経費率のコストを極限まで下げることができたらいいなと思ったことはありませんか?
特に似たようなインデックスを利用しているETF同士であれば、大きくリターンは変わらないはず。
というわけで、早速ETFポートフォリオのコストを下げる代替ETF案を紹介していきます。
コストをさらに下げるETF代替案
コストを下げるETF代替案は以下の通りです。
ここでのコストとは、経費率と1株当たりの株価という部分に着目して出しています。
- S&P500: SPLG
- NASDAQ100:QQQM
- 全米マーケット:SCHB/ITOT
- 高配当ETF:SCHD
- 優先株ETF:PFFD
- 金ETF:GLDM
それでは、どんなETFなのかサクッと比較していきましょう。
S&P500:SPLG
SPLGは、ステート・ストリート社のS&P500に連動を目指し運用されているETF。
世界最大の運用額を誇るSPYの廉価版的な立ち位置で、2019年までは別のインデックスに連動するETFでしたが、現在はS&P500に切り替えがされています。
SPLGのベンチマーク変更から歴史が浅いので、3年以降のリターンは単純比較できませんが、この1年ではVOOと全く同じパフォーマンス。
ティッカー | 運用会社 | ベンチマーク | 経費率 | 1年リターン | 3年 | 5年 |
SPLG | ステート・ストリート | S&P 500 Index | 0.03% | 40.97% | 18.69% | 17.73% |
VOO | バンガード | S&P 500 Index | 0.03% | 40.97% | 18.56% | 17.60% |
経費率もVOOと同じ0.03%ではありますが、株価は1/8程度。
SPLGであれば、単純にVOO1株を買う資金で8株買える計算なので、大幅にコストを見直すことができます。
S&P500連動のETF比較や、SPLGについての詳しい解説は、以下の別記事もチェックしてみてください。
【SPYより手軽!?】S&P500連動のETF SPLGについて解説!
「S&P500に連動するETF、SPLGについて詳しく知りたい。SPYやVOOなど似たようなETFは他にもあるけど、違いは何?」S&P 500に連動するETFといえば、SPY、VOO、IVVなどが一般的ですが、SPLGも個人投資家に注目され始め運用額もうなぎ登り。ということで、今回はSPLGについて深堀りしていきます。
【結局どれがいいの?】S&P 500に連動するETFを徹底比較!
「S&P500に連動するETFに投資をしたい。だけど、同じようなETFがいくつもあってどれにしようか迷うなぁ。」そんな疑問を持つ方向けの記事です。一口にS&P500連動型ETFと言っても、SPY、VOO、IVV、SPLGなど選択肢はたくさん。この記事では4つのETFの情報をまるっとまとめ、特徴を解説していきます。
NASDAQ100:QQQM
QQQMは、インベスコ社が発行するNASDAQ100連動型ETFです。
長期でQQQを持ち続けたい投資家向けに、経費率を0.05%下げた「ミニバージョン」として2020年10月に設定されたばかり。
QQQMは設定から日が浅いので、年単位での比較はできませんが、ほとんど変わらないパフォーマンスを出しています。
ティッカー | 運用会社 | ベンチマーク | 経費率 | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 年初来 |
QQQM | インベスコ | NASDAQ-100 Index | 0.15% | -0.44% | 6.32% | 16.86% |
QQQ | インベスコ | NASDAQ-100 Index | 0.20% | -0.32% | 6.45% | 17.12% |
長期で見た時のパフォーマンスにどれだけ差が生まれるかは注視が必要ですが、経費率が低い分トータルではコスト削減が可能です。
さらに、1株当たりの株価もQQQの2分の1以下になっているので、手が出しやすいというのが魅力です。
QQQMについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
【QQQよりお得?】廉価版ETF、QQQMってどんなETF?
「QQQは知っているけどQQQMというETFがあるらしい。QQQとの違いは一体何なの?」そんな方の疑問にお答えします。結論はQQQの廉価版ETF。それ以上でもそれ以下でもありません。順調に株価が伸びるQQQはちょっと高すぎて手が出ないけど、NASDAQ100の成長は取り込みたい。QQQMはそんな方に最適なETFです。
全米マーケット:SCHB/ITOT
SCHBはチャールズ・シュワブ、ITOTはブラック・ロックによって発行される全米マーケット型ETFです。
VTIは全米マーケット上場の3,820社、ITOTは3,570社にまるっと投資するのに対し、SCHBは2,570社と少し対象銘柄を絞ったETFになります。
SCHBは「Broad Stock Market」なので、厳密にいうとニュアンスは異なりますが、ほとんど同じ銘柄に広く投資をしているため、よくVTIの比較対象となります。
実際に銘柄の重複率を比較しても、ほとんど同じということが分かりますね。
経費率に関しては0.03%の横並びで、VTIが若干パフォーマンスがいいですが、どれも似たような成績になっています。
ティッカー | 運用会社 | ベンチマーク | 経費率 | 1年リターン | 3年 | 5年 |
SCHB | チャールズ・シュワブ | Dow Jones US Broad Stock Market | 0.03% | 36.60% | 16.20% | 17.17% |
ITOT | ブラック・ロック | S&P Total Market Index | 0.03% | 36.61% | 16.14% | 17.14% |
VTI | バンガード | CRSP U.S. Total Market | 0.03% | 36.68% | 16.26% | 17.21% |
こうなると違いが出るのは、1株当たりの株価ですが、ITOTはまだVTIの2分の1ほどの価格で購入することができます。
同じく、SCHBも1株当たりVTIの約半分の価格で購入ができるので、少ない資金でより多くの株数を買っていきたい人にはおすすめです。
高配当ETF:SCHD
SCHDは、先ほど紹介したチャールズ・シュワブが提供する高配当ETFです。
両者とも高配当でありながらも、キャピタルゲインも狙えるということで、よく比較されるETFです。
とはいえ、ベンチマークも違えば、VYMは400銘柄以上に分散しているのに対し、SCHDは100社に絞っているので実際の中身はかなりの違いがあります。
ただ、SCHDの方がパフォーマンス、配当利回りともにやや高いですね。
ティッカー | 運用会社 | ベンチマーク | 経費率 | 配当利回り | 1年リターン | 3年 | 5年 |
SCHD | チャールズ・シュワブ | Dow Jones U.S. Dividend 100 Index | 0.06% | 2.89% | 39.23% | 14.85% | 15.49% |
VYM | バンガード | FTSE High Dividend Yield Index | 0.06% | 2.79% | 31.54% | 8.39% | 10.73% |
経費率はともに0.06%ですが、SCHDの方が1株当たりの価格が安いので、100ドルの壁を超えてしまったVYMよりも手が出しやすいかなと思います。
SCHDに関しては、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
【高配当ETF台風の目】SCHDの購入を検討すべき?
「高配当ETF投資家の中でもあまり話題にされていないけど、SCHDってどんなETFなの?購入を検討すべきだろうか… 実際のリターンや買い方も知りたいな。」そんな方向けの記事です。日本ではなかなか話題になりませんが、渋く着実に配当と値上がり益を上げてきている高配当ETFの台風の目、SCHDに関して解説します。
優先株ETF:PFFD
PFFDは、グローバルX社が提供する優先株ETFです。
優先株は「株式」と「社債」の両方の性質を持っており、値上がりは期待できないものの、安定して高い配当がもらえることからインカム狙いの投資家に人気です。
グローバルX社がWebサイトで明確に「競合の半分の経費率」と宣伝しているように、PFFのちょうど半分の0.23%での運用を実現しており、配当利回りも高い水準を維持しています。
ティッカー | 運用会社 | ベンチマーク | 経費率 | 配当利回り | 1年リターン | 3年 |
PFFD | グローバルX | ICE BofAML Diversified Core U.S. Preferred Securities Index | 0.23% | 5.03% | 10.63% | 7.87% |
PFF | ブラック・ロック | ICE Exchange-Listed Preferred & Hybrid Securities Index | 0.46% | 4.47% | 13.16% | 7.26% |
1株当たりの株価もPFFより低い価格に落ち着いているので、コストを削減しつつ、高い配当を得ることができます。
PFFDに関しては、以前優先株ETFの比較記事を書いているので、そちらをご覧ください。
【PFFより高配当?】優先株ETF4銘柄を比較してみた!
「優先株のETFに興味がある。PFFも良さそうだけど、他に選択肢はないだろうか?経費率や配当利回りも加味して比較・検討したいな。」そんな方向けの記事です。高配当かつ平時の底堅さを見せる優先株ETFですが、PFF以外にどんな選択肢があるのか気になりませんか?ということで、今回はトップ4の優先株ETFをご紹介していきます。
金ETF:GLDM
最後は金に投資をするETF、GLDMです。
「有事の金」と言われ、インフレや経済危機が発生した際のヘッジ手段として分散投資している人も多いはず。
どちらもステート・ストリート社が提供しており、GLDは6兆円規模で流動性が高いことから機関投資家が多め。
一方のGLDMは個人投資家向けに低ロット・低コストでの運用を実現しています。
そのため、GLDMの方が経費率が圧倒的に安く、リターンも3年でわずかにGLDを上回っています。
ティッカー | 運用会社 | ベンチマーク | 経費率 | 1年リターン | 3年 |
GLDM | ステート・ストリート | Gold Spot | 0.18% | -7.35% | 13.81% |
GLD | ステート・ストリート | Gold Spot | 0.40% | -7.51% | 13.54% |
さらに、株価においても1株当たりGLDの10分の1程度で購入できるため、長期での資産分散のコストを下げるには最適な選択の1つになりますね。
各代替ETFの買い方とは?
今回紹介したETFの取り扱いは以下の通りです。
証券会社 | 楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | Firstrade証券 |
SPLG | ○ | ○ | ○ | ○ |
QQQM | × | × | × | ○ |
SCHB | × | × | × | ○ |
SCHD | × | × | × | ○ |
PFFD | ○ | ○ | ○ | ○ |
GLDM | ○ | ○ | ○ | ○ |
日本の3大メジャー証券会社だと、SPLG、PFFD、GLDMはどこでも取り扱いがありました。
それ以外のQQQM、SCHB、SCHDなどのETFに投資をしたい方は、日本人でも口座開設可能なアメリカのネット証券Firstradeの口座開設を検討してください。
Firstradeのおすすめポイント
- アメリカ上場の株・ETFに制限なく投資可能
- 取引手数料無料
- 口座維持手数料なし
Firstradeであれば、今回紹介したETFはもちろん、米国に上場するすべての株式の手数料無料で投資できるため、投資の幅が圧倒的に広がりますよ。
僕も実際に愛用しており、別記事で口座開設から機能、入金方法まで詳しく解説しているので、参考にしてみてくださいね!
Firstradeの口座開設方法とは?【米国株が手数料無料!】
海外に移住すると、日本の証券口座は閉鎖されてしまいますよね。それでも、将来に向けた資産運用として、米国株に投資したい人は当然多いはず。今回は、そんな方に向け海外居住者でも利用できるFirstradeがどんな会社なのか、メリットとデメリットも含め、ユーザーである僕が口座開設の方法を解説していきます。
さいごに
今回紹介した代替ETFは、設定からの歴史が浅いものが多く、取引ボリュームがどれも本家に比べて低いため、流動性という観点では妥協する必要があります。
その一方で、長期投資で売り買いを頻繁にしないのであれば、同じ資金でもより多くの株数を買うことができ、経費率を下げることもできるというメリットがあります。
ほぼ同じリターンを享受できるのなら、視野を広げて投資を検討してみてはいかがでしょうか?
この記事がみなさんの参考になれば幸いです。
日本人でも口座開設可能な海外証券会社なら
人気記事【結局どれがいいの?】S&P 500に連動するETFを徹底比較!