【フィリピン株ETF】EPHEのETFでフィリピンまるごと投資!
フィリピン投資に興味がある人「フィリピンの成長にあやかりたい。個別株を買うのはハードル高そうだけど、フィリピンETFのEPHEなら投資しやすそうだな。EPHEってどんなETFで、どの証券会社で買えるの?」
こんにちは、旅リーマンのZuminです。
今回は、そんな疑問を持つ方向けの記事です。
この記事を書いている僕は、5年以上フィリピン在住の経験があり、米国株を中心に投資もしています。
実際にフィリピンに住み、現地でビジネスをした経験がある僕ならではの視点で、フィリピンETFのEPHEについて詳しく解説していきます。
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もくじ
- フィリピンETFのEPHEどんなETF?
- EPHEの構成銘柄を解説
- フィリピン投資の今後
フィリピンETFのEPHEどんなETF?
EPHEは、正式名称 iシェアーズ MSCI フィリピン ETF で、世界第一位の運用資産残高を持つブラックロック社のiSharesブランドで運用されるETFです。
「フィリピンの株式全般で構成される指数と同等の投資成果を目指して運用」されており、フィリピンを代表する企業にまるっと投資をできるイメージです。
純資産総額 | $117 Million(約156億円) |
取引所 | NYSE Arca |
設定日 | 2010年9月28日 |
インデックス | MSCI Philippines IMI 25-50 NET Index |
経費率 | 0.57% |
配当利回り | 0.84% |
保有銘柄数 | 41 |
平均取引ボリューム(1日) | 18,311 |
構成銘柄が40ほどと少ない印象を持つ方も多いかもしれませんが、そもそもフィリピンの上場銘柄数は275社のみ。
その上、財閥系企業が時価総額の大半を占めることから、妥当な数だと言えます。
>> フィリピン株について学ぼう!【現役フィリピン駐在員が教える】
EPHEのパフォーマンス
まずはリアルタイムチャート。
気になるトータルリターンですが、低調なパフォーマンスが続いており、設定来でなんとかプラスという形です。
EPHE | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 |
トータルリターン | -15.06% | -6.60% | -5.38% | -1.28% | 1.52% |
設定来のチャートを見てみると、2013年に43ドルの高値をつけた後は、ズルズルと落ちてきており、上げ下げが激しくなっています。
長期でホールドし続けるよりも、適度に利確をしながら入るタイミングを待つETFになりそうです。
EPHEの構成銘柄を解説
続いて、EPHEのトップ10構成銘柄を紹介していきます。
比率 | 会社名 | ティッカー | 保有株数 |
12.02% | SM PRIME HOLDINGS INC | SMPH | 22,220,435 |
7.44% | BDO UNIBANK INC | BDO | 4,415,758 |
6.57% | AYALA LAND INC | ALI | 14,222,050 |
6.38% | SM INVESTMENTS CORP | SM | 453,876 |
5.11% | AYALA CORP | AC | 472,778 |
4.64% | INTERNATIONAL CONTAINER TERMINAL SERVICE INC | ICT | 1,531,233 |
4.59% | BANK OF THE PHILIPPINE ISLANDS | BPI | 2,952,515 |
4.21% | JG SUMMIT HOLDINGS INC | JGS | 5,530,891 |
3.71% | JOLLIBEE FOODS CORP | JFC | 1,044,011 |
3.67% | METROPOLITAN BANK AND TRUST CO | MBT | 4,253,874 |
組み入れ銘柄ですが、フィリピンに住んでいる人なら、誰もが利用したことがあるような会社ばかりです。
SM Group
組み入れ1位の「SM Prime Holdings」ですが、フィリピン最大のショッピングモールを展開する4位の「SM Investment」の持株会社です。
さらに、2位のフィリピン最大の銀行である「BDO Unibank」もSM Investment傘下になります。
SMグループは「Shoe Mart」の略で、中華系フィリピン人のヘンリー・シー氏が靴屋として創業し、現在ではフィリピン最大のコングロマリットに成長しました。
モールを展開するSM Investmentsの売上は約7,800億円、BDO Unibank単体で3,000億円を売り上げています。
その他にも、フィリピン第6位の銀行である「Chinabank」や、コンドミニアムを建築・販売する「SMDC」など小売・銀行・不動産とフィリピンの生活に欠かせないインフラを押さえています。
Ayala Group
続いて、組み入れ5位の「Ayala Corp」は、3位の「Ayala Land」の持株会社。
Ayalaグループは、スペイン系のアントニオ・アヤラ氏によって不動産からスタートしたコングロマリットです。
高級コンドミニアムを販売する「Ayala Land」を筆頭に、第7位に組み入れられているフィリピンNo.4の銀行「BPI」もグループ傘下。
さらに、通信事業を行う「Globe Telecom」、水道会社の「Manila Water」など生活のインフラまで押さえています。
売上規模は、グループ全体で26兆円を誇り、フィリピンという国自体を掌握する会社。
実際に、マニラ首都圏のマカティ市の都市開発はAyalaに任されているほど、名実ともにフィリピンを掌握する規模の会社となっています。
JG Summit Holdings
第8位の「JG Summit」は、フィリピンのLCC航空会社「Cebu Pacific」を中心に運輸業などを展開するフィリピン最大級のコングロマリットの1つ。
こちらも中華系フィリピン人のジョン・ゴコンウェイ氏によって創業され、不動産の「Robinsons Land」や食品製造業の「Universal Robina」を中心に財を成しました。
さらに、マニラに電力を提供する「Meralco」の大株主、通信会社「PLDT」の少数株主でもあり、フィリピン人の生活インフラを360度確保しています。
グループ全体の売上は30兆円を超え、2010年にはフィリピン上場企業で最も利益を出した企業とも言われています。
Jollibee Food Corp
組み入れ9位の「Jollibee」は、フィリピンなら誰もが知るファストフードチェーン。
華僑のトニー・タン氏によってアイスクリーム店として創業「マクドナルドが唯一No.1になれない国」と言われるほどの圧倒的な地位を確立しています。
Jollibee以外には、ピザの「Greenwich」、中華の「Chowking」、チキン専門の「Mang Inasal」なども傘下に抱えており、フィリピン人のお腹を満たし続けています。
最近は、海外進出を積極的に進めており、2021年の売り上げは約4,000億円と言われています。
このように、フィリピンの経済というのは一部の財閥企業によって独占されている市場ということがEPHEの保有銘柄を通してお分かりいただけたかと思います。
良くも悪くもフィリピンの株式市場の時価総額の50%以上は、これらの巨大コングロマリットによって占められているのが現状です。
EPHEを保有することで、これらの安定した財閥にまるっと投資ができるので、フィリピンの経済成長の大部分は取り込めるといっても過言でなさそうですね。
フィリピン投資の今後
最後にフィリピン投資の未来についてですが、基本的には明るい将来があると思っています。
理由としては、以下の3点があると考えており、実際に僕は5年以上マニラに住んでいますが、長期的に伸びしろしかないと思っています。
- 世界最長の人口ボーナス
- 急ピッチで進むインフラの整備
- 高い信用格付け
一方で、フィリピンの株式市場はまだまだ小さいのが現状なので、EPHEのような市場をまるっと押さえられるETFからの投資で十分かなと思います。
リスク分散の意味も含め、フィリピンペソ建てでの個別株投資に興味があるという方は、1株あたり数十円〜数千円でスタートできるので検討してみるのもアリかと思います。
※ただし、株価で単元株数の設定あり。
フィリピン個別株に興味がある方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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さいごに
ということで、今回はフィリピンのETFであるEPHEに関して解説しました。
東南アジアは、V.I.P.(ベトナム・インドネシア・フィリピン)と呼ばれる3カ国の人口ボーナスが続き、GDP成長率もグングン伸びていることから注目されています。
僕は、仕事でVIPの3カ国全てに赴任経験があり、実際の成長のエネルギーを肌で感じており、特にフィリピンには大きな伸びしろを感じています。
ただ、すぐにパフォーマンスが出る投資ではないので、あくまで超長期目線でETFなどを活用して少しずつ投資をしていきたいなと考えています。
ちなみに、EPHEを取り扱っている証券会社は以下の通りです。
証券会社 | 楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | IG証券 | Firstrade証券 |
EPHE | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
日本円からEPHEへ投資したい場合は、マネックス証券、楽天証券などのメジャー証券か、CFD口座なら外資系のIG証券で購入が可能です。
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また、ドルベースの海外口座で投資をしたいという方は、日本人でも口座開設可能なネット証券Firstradeをおすすめします。
Firstradeのおすすめポイント
- アメリカ上場の株・ETFに制限なく投資可能
- 取引手数料無料
- 口座維持手数料なし
Firstradeであれば、EPHEはもちろん、米国に上場する新興国ETFはすべて手数料無料で手に入るので、投資の幅を広げる意味で口座を持っておくのもいいかもしれません。
詳しい口座の開設方法などは、このブログでも画像付きで解説しているので参考にしてみてください。
Firstradeの口座開設方法とは?【米国株が手数料無料!】
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