FIREして海外移住を達成するために知っておくべきこと
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FIREして海外移住したい人「早く経済的に自由になって、海外で何事にも縛られずに暮らしたいなぁ。でも、移住先はどんな国があって、実際にFIREするためにはどんな準備が必要なんだろう?」
こんにちは、旅リーマンのZuminです。
今回は、最近ネット上で盛り上がっているFIRE(経済的自由・早期退職)を達成し、海外で悠々と暮らしたい人向けの記事です。
この記事を書いている僕は、FIREを目指しつつ、6年以上海外でのサラリーマン生活を送っているため、海外移住に関しては割と現実的な記事を書ける立場にあるかと思います。
ということで、FIREを達成して、海外移住を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
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もくじ
- FIREして海外移住をするには?
- FIRE後の海外移住で人気の国
- FIRE達成後、海外移住するための準備
FIREして海外移住をするには?
まず、一般的にFIRE(経済的自由・早期退職)を目指すためには、以下のステップが必要と言われています。
- ① 日々の支出のコントロール
- ② 副業などで収入を上げる
- ③ インデックス投資などで資産運用
- ④ 年間支出×25倍を目指す
- ⑤ 4%ルールで資産を取り崩し生活
FIREに関しては、たくさん書籍が出ており、それぞれのライフスタイルや移住する国によって目指す金額が変わってくるので、自分なりに目標を設定しましょう。
一方、海外移住をするためには以下のステップが必須となります。
厳密に言えば、もっと細かい準備は必要ですが、ここでは要点だけをまとめておきます。
- 情報収集
- プチ移住をしてみる
- 資金の準備
- ビザを取得する
情報収集
まずは、しっかりとしたリサーチをしましょう。
できれば、ネットで得られる情報だけでなく、実際にその国に住んでいる人の生の情報が事前に取得できるとよりいいです。
外国で生活するには、いいことばかりではなく、大きなハンデや困難に遭遇することが多いです。
イメージだけで行動に移してしまうと失敗するリスクが上がるので、本当にその移住先で求めるものが得られるかどうかなど徹底的に調べておきましょう。
プチ移住をしてみる
その上で気になる国が見つかったら、完全移住をする前にまずは数ヶ月単位でプチ移住をしてみましょう。
というのも、
「国の文化に馴染めない」
「日本に住んでいるよりストレスが多い」
などと言った理由で移住を失敗してしまうことを避けるためです。
日本に住んでいると気付きにくいですが、日本のパスポートは最強です。
ほとんどの国へビザなしで入国でき数ヶ月滞在できるなんてことも珍しくありません。
なので、まずはプチ移住でAirbnbなど民泊を活用して、旅では味わえない現地の文化・治安・物価・食事など一通り経験し、いいところも悪いところもあらかじめ把握しておきましょう。
資金の準備
プチ移住で移住先での具体的な生活イメージが湧いてきたら、移住に必要な資金を準備し始めましょう。
海外へ移住するには、まとまった支出が思ったより多くなります。
例えば、
- ビザの取得費用
- 滞在先のデポジット、家賃
- インフラの契約金
現地での仕事はしない前提の完全FIREとして生活するのであれば、想定の年間支出よりも多めに準備し、しっかりとした資金計画を立てておくのがいいでしょう。
ビザを取得する
移住先の候補が決定したところで、次なるハードルはビザとなります。
国によってビザの取得要件が異なるため、永住権はあるのか、またそれに近いリタイア向けビザはあるのかなどしっかりリサーチをして、現地で確かな実績のあるエージェントにお任せしましょう。
ちなみに海外では、ビザの取得を謳いお金を騙し取る詐欺エージェントも存在するので、注意が必要です。
全てを鵜呑みにせずご自身でしっかりリサーチをした上、行動にうつしましょう。
次の章では、主に東南アジアのビザ情報をまとめているので、参考にしてみてください。
FIRE後の海外移住で人気の国
FIREして、海外移住となると仕事を辞めることになるため、生活コストや税金の安さを中心に移住先を選ぶ人も多いはず。
その観点から東南アジアの国々を選ぶ人が多いですよね。
ということで、各国に移住・永住するための代表的なビザを確認していきましょう。
国 | ビザ | 主なビザ取得条件 | 有効期限 | 所得税率 | 消費税(付加価値税)率 | キャピタルゲイン税率 |
タイ | タイランドエリート(8種あり) | 60万バーツ〜の入会金 | 5〜20年 | 0~35%の累進課税 | 7% | 原則非課税 |
マレーシア | MM2H or S-MM2H | 50歳未満は最低50万リンギットの財産証明 + 月額1万リンギットの収入証明 + 30万リンギットの定期預金 | 10年(延長可) | 0〜30%の累進課税 | 6% | 原則非課税(不動産以外) |
ベトナム | NC9 | 国に貢献した or 名誉ある称号を授与した者 or ベトナム人の配偶者 or 科学者/専門家 | 永住権 | 5~35%の累進課税 | 10% | 売却代金の0.1% |
フィリピン | SRRV | 50,000USドル(35〜49歳) | 永住権 | 0~35%の累進課税 | 12% | 15% |
インドネシア | KITAP | インドネシア人との婚姻ビザ or インベスタビザ(投資家 or 会社経営者)or リタイアメントビザ保持者(55歳以上の退職者)が切替可能 | 5年(延長可) | 5~30%の累進課税 | 10% | 売却代金の0.1% |
シンガポール | PR | シンガポール人との婚姻ビザ or 就労ビザ保持者 or 国内投資家であること | 5年更新 | 0~22%の累進課税 | 7% | 非課税 |
※コロナの影響や国の情勢で、一時ビザ発行停止の措置が取られていたり、今後の条件見直しがかかっている場合もあるため、最新の情報は現地の専門家に確認してください。
ビザの取得要件や税率などの詳細は、それぞれの国の公式サイトなどで確認していただきたいのですが、東南アジアでは資産や継続収入が見込めれば永住権(もしくはそれに近しいビザ)が取りやすい国もあります。
ただ、ベトナム、インドネシア、シンガポールは現地人との結婚、投資や起業で国の発展に貢献できる人など厳しく制限されているため、FIREして移住というのは非常にハードルが高いです。
一方で、フィリピン以外の国では株式の値上がり益に対するキャピタルゲイン税は、原則非課税や税率が日本と比べかなり低い国が多いため、長期投資の資産をもとにFIRE生活するにはメリットが大きいですね。
では次に、各国の実際の生活コストの指標も見ておきましょう。(各指標はニューヨークを100とした場合)
世界ランキング | 国・都市 | 生活コスト指標 | 家賃 | 食料品 | レストラン |
35位 | 日本・東京 | 85.31 | 47.30 | 89.51 | 54.36 |
49位 | シンガポール | 82.63 | 64.98 | 74.28 | 59.02 |
331位 | フィリピン・マカティ | 53.70 | 30.57 | 60.58 | 29.68 |
350位 | タイ・バンコク | 50.97 | 25.21 | 39.05 | 25.37 |
404位 | インドネシア・ジャカルタ | 41.75 | 17.38 | 42.32 | 22.90 |
419位 | マレーシア・クアラルンプール | 40.06 | 14.48 | 28.22 | 26.06 |
436位 | ベトナム・ホーチミン | 38.55 | 18.85 | 29.43 | 21.80 |
東南アジアの物価というとかなり安いイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
確かにこのランキングを見ると、シンガポールを除きほとんどの分野で東京より低い指標が出ていますね。
しかし、実際には僕の住んでいるフィリピンでは、毎年5%近いインフレが起こっており、家賃、肉や野菜など生活必需品も毎年上がり続けている状態です。
日本にいると経済成長が緩やかに下降し、長く続くデフレ状態で給与は上がらず、物価も上昇しないというサイクルに慣れていると結構衝撃を受けるのではないでしょうか?
それぞれの生活スタイルにもよりますが、日本人的な生活を継続したいのであれば、はっきり言って安くはなくなってきているというのが現状です。
ということで、単純に物価が安そうだからというような安易な理由で移住をしてしまうと、痛い目にあってしまうかもしれません。
一度プチ移住をして肌に合うかどうかを確認するのはもちろんですが、ビザの取りやすさ、経済成長率、インフレ率なども考慮して、長期的な目線で戦略的に国を選ぶということも頭に入れておきましょう。
ちなみに、以下英語サイトになりますが、FIRE計算機という面白い機能があります。
FIRE Calculator: What if you move to another place?
Calculate when you can retire early (FIRE) if you move to another place. Cost of living varies wildly around the world and if the return on your investment is bigger than your spending, it means you can retire there.
現在の資産と年齢、投資のリターン、生活費を資産から何%取り崩すかを入力することで、どの都市ならリタイアできるか導き出してくれるので、参考までに遊んでみてください。
FIRE達成後、海外移住するための準備
では、最後にFIREを達成を見据えた海外移住に向け、あらかじめ以下の3つを準備しておきましょう。
- ① 銀行口座の維持
- ② 送金ラインの確保
- ③ 証券口座の確保
銀行口座の維持
「海外に移住したら、日本の銀行口座はどうなるの?」という不安がある方も多いでしょう。
ほとんどの銀行は、非居住者になった時点で口座を解約されられてしまいますが、出国前に手続きし、別途でサービスを契約することで口座を維持・利用できる銀行もいくつかあるので紹介します。
銀行 | 非居住者向けサービス名 | 料金 |
三菱UFJ銀行 | グローバルダイレクト | 300円/月 |
三井住友銀行 | SMBCグローバルダイレクト | 216円/月 |
ソニー銀行 | 住所変更のみで継続利用OK(※日本国内の連絡先登録必須) | – |
三菱UFJはちょっと手数料が高いですが、個人的には奨学金の引き落としや、保険の支払いなど日本円での出費が毎月あるので海外でも継続利用できるのは非常にありがたいです。
ソニー銀行は手数料なく、住所変更だけでほぼ制限なく使えるとのことで、日本を出る前に開設しておいた方がいい口座ではNo.1だと思います。
送金ラインの確保
銀行を維持したら、次に日本円→現地通貨へ簡単に両替・送金できるルートを確保しておきましょう。
国によって様々なサービスがありますが、僕が特におすすめしたいのはWiseというイギリス発のオンライン送金サービスです。
Wise(旧TrasnsferWise)の評判って実際どうなの?【海外送金ならこれ一択】
海外送金をしたい。Wise(旧TrasnsferWise)っていうサービスが評判いいらしいけど、大切なお金を送金するのに、本当に信頼していいサービスなの?そんな疑問を持つ方向けの記事です。海外在住6年目の僕が、利用者としての目線だけでなく、第三者的な情報も集めつつ詳しく解説していきます。
基本的に、銀行の送金サービスや両替を利用すると手数料や為替でぼったくられる可能性がありますが、Wiseは早い・安い・使いやすいの三拍子が揃っており、毎月愛用しています。
さらに、追加機能としてデビットカードや、現地銀行口座情報もアプリ上で取得できるサービスが始まり、海外在住者にとって手放せない存在になり始めています。
別記事にてWiseのサービス解説をしているので、参考にしてみてください。
Wise(旧TrasnsferWise)の使い方【海外在住ヘビーユーザーが解説】
「海外に送金を考えている。Wise(旧TrasnsferWise)っていうサービスがいいらしいけど、どうやって使うのか詳しく知りたいな。」そんな疑問を持つ方向けの記事です。海外在住6年目のヘビーユーザーの僕が、画像を大量に使ってアカウントの開設から、送金までの6ステップを丁寧に解説してきます。
【超便利】Wise(旧TransferWise)のデビットカードサービスが開始!
「送金サービスのWise(旧TrasnsferWise)がデビットカードを出したらしい。でも、どんな仕組みで、どんな利用用途があるの?」そんな疑問を持つ方に向け、実際にこのデビットカード利用している僕が詳しく解説します。これを使えば、もはや両替所での現金の両替は必要なくなるかもしれません。世界を飛び回る方必見です!
証券口座の確保
長期投資の資産で海外移住を目指すのであれば覚えておいて欲しいのが、日本の証券口座は利用できなくなるということ。
積み立てNISAやiDeCoも、日本での住民票を抜き海外に完全移住した段階では継続して使うことはできません。
というのも、ほとんどの証券会社は日本以外での金融商品取引業務の免許を取得しておらず、居住国の法令などに則した対応ができないというのが理由です。
参考までに、日本の大手証券会社の海外居住者への対応を要約しておきます。
楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | |
ログイン | ○ | 解約 or 休眠口座 | 解約 or 休眠口座 |
取引 | ×(売買ともに) | ×(売買ともに) | ×(売買ともに) |
入出金 | △(出金のみ) | × | × |
NISA・積立NISA | △(最長5年間保有可、新規買付NG) | × | × |
ジュニアNISA | × | × | × |
特定口座 | ○(出国前手続き次第で維持可能) | × | × |
各社、手続き後に休眠口座にはできても、新規の売買などは制限され、完全帰国しない限り資産を預かるだけ、もしくは口座解約という措置になります。
なので、選択肢としては以下の3つのどれかを選ぶことになります。
- ① 一旦、証券を全て売り現金化する
- ② 休眠口座として放置する
- ③ 海外口座へ移管する
FIREで資産を取り崩しながら生活をしていくということであれば、海外口座への移管というのが最も現実的な選択肢だと思います。
そのために、移住先でも利用できる証券会社の口座をあらかじめ開設し、資産運用もしくは移管の準備を開始しておきましょう。
これらの証券会社は僕も実際に利用しており、口座開設の方法や使い方など別記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Firstradeの口座開設方法とは?【米国株が手数料無料!】
海外に移住すると、日本の証券口座は閉鎖されてしまいますよね。それでも、将来に向けた資産運用として、米国株に投資したい人は当然多いはず。今回は、そんな方に向け海外居住者でも利用できるFirstradeがどんな会社なのか、メリットとデメリットも含め、ユーザーである僕が口座開設の方法を解説していきます。
【米国株手数料無料】チャールズ・シュワブ証券の口座開設方法とは?
「海外移住しても米国株を取引したい。チャールズ・シュワブなら一部の国からでも受け付けているらしいけど、日本語での情報が少ないし、英語での口座開設は不安だなぁ…」そんな悩みを持つ方へ向けた記事です。世界でもトップクラスの運用資産を誇るチャールズ・シュワブのインターナショナル口座を開設したので、開設方法を解説します。
さいごに
ということで、今回はFIREして海外移住をするために必要な情報をまとめてきました。
ここで書かれている内容は、「自分自身が海外に出る前に知っておきたかった!」という内容を惜しげもなくまとめて公開しているため、これからFIREをして海外移住する方にとって貴重なリソースとなると思います。
僕自身はまだFIREは達成できていませんが、東南アジアで生活し、色々な国で仕事をしつつ、FIREに向け長期的な資産形成に突き進んでいます。
充実した海外FIRE生活を送るために、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
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